「ブラック企業に依存」してしまう人が陥る泥沼 いちいちコントロールしてくる人に要注意だ

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② 過度な「アメ」と「ムチ」は要注意!

「二重洗脳」というのは精神医学の専門用語で、簡単に言えば過度な「アメ」と「ムチ」で、人間関係の依存では非常に重要なキーワードになります。①の相手をコントロールする手段の1つと言えるでしょう。DV彼氏が「優しいときはとても優しい。でも、怒ると何されるかわからない」という状況です。

これはカルト教団がよく用いる手法です。カルト教団は信者を誘うため最初はとても優しく親身になって悩んでいる人の話を聞いてあげます。

ただ、入会してしまうと「退会すると不幸になる」といったような恐怖を植え付け、「優しさ」と「恐怖」の二重で洗脳し、教団を辞められなくするのです。ブラック企業を辞めた人が社長から「2度とこの業界で働けなくしてやる」と退職の相談をしたときに言われたという話を聞いたことがありますが、これも「恐怖」で洗脳しようとしています。

自分を客観的に見ることができなくなる

③ 外部との関係の遮断には要注意!

ブラック企業などでよく見られることですが、コントロールしている当事者が意識しているかどうかは別として、長時間労働をしていると自然と外部から遮断されていきます。外部から遮断されると「やめられない」状況に陥りやすくなります。依存から抜け出すためには何より「自分自身を客観的に見るのが大事」なのですが、外部から遮断されると自分を客観的に見ることができなくなります。

ですから、ブラックな状況で働く人こそ、できるだけ社外の人の友人を持つことをおすすめします。「その会社おかしいよ」と言ってくれる人がいることで依存に気づき抜け出すこともできます。

これは職場に限ったことではありません。束縛してくる彼や夫(彼女や妻)の、「友人と会うな」という言葉や、「異性の連絡先を携帯から全部消させる」という行為も、この「外部との関係の遮断」にあたります。虐待の親も子どもを外に連れ出そうとしません。子どもが外部と接触することで「自分の家はおかしい」と思ってしまう可能性があるからです。

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