道筋見えた、西武の「良い形での上場」 ハゲタカも容認?早ければ4月にも上場か

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西武グループとして10年ぶりの上場は成るか(撮影:大隅智洋)

西武ホールディングスは1月15日の夕方、東京証券取引所に株式上場申請を行った。関係者が明らかにした。西武側は「上場準備の手続きに関してはコメントを差し控えたい。上場の時期などについても未定」としているが、今後、東証で上場審査が行われると同時に、上場の時期や売り出し株式数、価格について協議が進むものとみられる。早ければ4月ごろに上場が実現する見通しだ。

今回の上場申請に当たり、西武HDの株式35.48%を保有する筆頭株主、米投資会社サーベラスとの間で上場に関する話し合いが行われ、上場時にサーベラスの保有株式の一部を売却することで合意に達したという。これにより、東証1部上場に必要な流動株式比率35%以上を確保できるメドが立った。

上場が実現すれば、西武グループとしては2004年12月の西武鉄道上場廃止以来、およそ10年ぶりの上場となる。

毒をもって毒を制す?

西武にとっては紆余曲折の10年間だったといえるだろう。

2004年10月、流動株比率が上場基準に抵触することを防ぐため、大株主コクドの保有株の一部を個人名義にする有価証券報告書の虚偽記載を長年にわたり行っていた事実が発覚。当時オーナーだった堤義明氏が逮捕・起訴されるまでに至った。

その後、グループ経営改委員会による答申を受け、経営の立て直しに着手。みずほコーポレート銀行副頭取だった後藤高志氏(現・西武HD社長)が西武鉄道の社長に就任し、その旗振り役を担うことになった。

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