トヨタと起亜自動車、スポーツカーで「火花」 北米自動車ショーで、互いにブランド戦略強化

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1月15日、トヨタ自動車と起亜自動車は今週、北米自動車ショーでそれぞれコンセプトスポーツカーを発表した。写真は昨年9月、フランクフルトで撮影(2014年 ロイター/Wolfgang Rattay)

[デトロイト 15日 ロイター] -トヨタ自動車<7203.T>と起亜自動車<000270.KS>は今週、北米自動車ショーでそれぞれコンセプトスポーツカーを発表した。両社のターゲットとする顧客は異なるが、スポーツカー投入でブランド力を高めようとする戦略は共通している。

トヨタが発表した「FT─1」は、まだ商品化されるかどうか決定していない。ただ、アナリストは、商品化された場合には、約10年前に生産が打ち切られたスポーツカー「スープラ」の後継となり、パフォーマンスを重視する富裕層がターゲットとなる、と指摘する。

一方、起亜自動車が発表した「GT4スティンガー」は、若年層の顧客をターゲットにしているようだ。同社は、マツダの「MX5」やトヨタの「サイオンFR─S」が競合になり得るとしている。

ターゲット顧客は異なるものの、両社ともブランド力向上のためにスポーツカーを活用するという戦略は同じだ。

トヨタは、信頼性はあるもののデザインに驚きがある車に欠けているとされてきた。そんななか、同社は「FT─1」には自動車マニアをわくわくさせるようなものがあると考えている。

エドモンド・ドット・コムのアナリスト、ジェシカ・コールドウェル氏は「これまでのトヨタのラインアップは、家電のようで驚きがない車だったが、それを刷新する必要がある」と指摘する。

起亜自動車の副会長、HankLee氏は記者団に対し、「ソウル」ボックスカーが好評だったことから、その後を受けて消費者の関心を引く新車投入を試みており、「GT4スティンガー」発表はそうした試みのひとつ、と述べた。 消費者の反応を見極め商品化するかどうか決定するという。

起亜自動車の米設計部門代表のトム・カーンズ氏は「大きな収益をあげなくても失敗にはならない。ブランドイメージを変えることで今までとは異なった消費者を獲得できる」と述べた。

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