「脱百貨店路線」で新たな顧客層を獲得 好本達也・大丸松坂屋百貨店社長に聞く

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――銀座店や上野店南館の建て替えの後の改装予定は。とりわけ大阪・心斎橋店については建て替えも噂され、関心が高い。

札幌店、京都店、心斎橋店では、リターンの取れる領域、機会を探している。これまでとは異なる工夫が必要だろう。

札幌は新百貨店モデルの新たなジャンルをまだ導入していない唯一の店舗。エルメスやカルティエが入り、好調を続けてきたが、今後は新しい顧客を取り込むために何か考えなくてはならない。現在、儲かっているだけに、それが呪縛となるようではいけない。京都については、周辺店舗も合わせた施策を今後、検討していく。

心斎橋店については、現状ではまだ、特にお話できることはない。

自主企画品で粗利率を上げたい

 

――自主企画品についての取り組みは成功するのでしょうか。

(雑貨の)「ウープウープ」など店外でも展開しているが、いまはノウハウを積むための先行投資で、店内の収益性を高めるためにやっていく。小売の原点に立ち返り、自ら仕入れ、自ら売るために、オペレーションや販売組織、教育など全部を見直している。本格的にトライして2年になるが、ようやく進むべき方向が見えて、共有化できてきた。リスクを張った買い取り商品のシェアも高まっている。

従来は、在庫が残ってやめる、ということを繰り返したが、今回は仕組みと組織を変えながら進めている。在庫が積み上がるリスクを抑えるため、早期の処分販売もしている。

現状の年商は、店内で400億円レベルで、これを16年度までに100億円上乗せしたい。粗利率も36%から39%へ3%ポイントは上げる。そうできれば、新しい取引先を入れてもリスクをヘッジ出来る。大変だが、消化仕入れでは粗利率を上げるのは不可能だろう。

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