中国企業5社がIPOを延期した事情

背景に当局の監督強化

1月13日、新規株式公開(IPO)が再開されたばかりの中国で、5社がIPOの延期を発表。中国証券監督管理委員会が前日示したIPO手続きの監督強化が理由としている。写真は中国の国旗。上海で2011年9月撮影(2014年 ロイター/Carlos Barria)

[上海 13日 ロイター] -新規株式公開(IPO)が再開されたばかりの中国で13日、5社がIPOの延期を発表した。中国証券監督管理委員会(CSRC)が前日示したIPO手続きの監督強化が理由としている。

CSRCが12日公表した声明によると、IPO価格をその業界の平均的な株価収益率(PER)を上回る水準に設定した企業は、個人投資家からの応募を3週間延期し、その間投資家にリスクの可能性を警告する特別声明を出すことが義務付けられる。

CSRCはまた、IPOのブックビルディング(需要調査)と投資家向け説明会がどのようにおこなわれているか無作為に調査する方針も示した。

13日IPO延期を発表したのは、東方網力科技、河北匯金機電、緑盟信息安全科技、北京恒華科技と慈銘体検の5社。

先週には製薬会社の江蘇奥賽康薬業<300361.SZ>が、IPO再開後初めてIPO計画の延期を発表している。関係筋がロイターに語ったところによると、CSRCが奥賽康に対し、IPOを延期するよう圧力をかけたもよう。CSRCはこれを否定している。

CSRCは先月、1年以上停止していたIPOの再開を認めると明らかにした。これに伴い、過度に高いIPO価格の抑制措置など一連の改革を実施していた。

中国では750社近くが当局のIPO承認を待っているとされている。

海通証券(上海)の上級株式アナリスト、ZhangQi氏は、「IPO改革は失敗したと言える状況が、今回のCSRCの声明で大きく変わるわけではない」と指摘する。

「たとえば、改革によって、これまでのような株式売却禁止期間がなくなり、既存の株主はIPO時の株式売却が可能になったが、これは、企業や引き受け幹事にIPO価格を可能な限り高く設定するよう促すだけだ」という。

アナリストによると、江蘇奥賽康薬業の場合、売り出される予定だった株式の大半は、経営陣が保有する株式。加えて、公募価格が同業他社の株価を大幅に上回る価格に決まったことは、同社関係者が高いプレミアムがついた価格で売却しようと試みていたことを示す。

海通証券のZhang氏は、ブックビルディングで、IPO価格の最も高い価格が最低の4─5倍となったケースもあり、誰かが価格操作しようとした可能性があると指摘。中国のIPOでは、上場時に高値を付けてもその後長期にわたり低迷するパターンが多いが、Zhang氏の話は、こうした状況が解決されていないことをうかがわせる。

中国株式市場では、IPO再開が決まった4週間前から、大型株中心で深セン上場銘柄を含む滬深300指数<.CSI300>が11%近く下落している。

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