新興国投資家、今年は政治リスクへの警戒強化

「フラジャイル・ファイブ」への警戒感

1月8日、新興国市場に資金を投じている投資家は政治リスクへの警戒を強めることになりそうだ。写真はムンバイのブローカー。昨年5月撮影(2014年 ロイター/Vivek Prakash)

[ロンドン 8日 ロイター] - 今年は中央銀行による流動性吸収が世界的に広がる中で、新興国市場に資金を投じている投資家は政治リスクと、それを早期発見する手法について警戒を強めることになりそうだ。

米連邦準備理事会(FRB)が昨年、資産買い入れ縮小に初めて言及してからというもの、新興国経済は逆風に見舞われた。金融緩和が生んだ「イージーキャッシュ」が姿を消すとの思惑から世界的にドルと米国債利回りが上昇し、西側の投資家は資金を引き揚げ、外国資本への依存度の高い国は大揺れとなった。

昨年の新興国の債券市場は通年でマイナスとなったが、これは1998年以降でわずか3度目のこと。株式市場はこの3年で2度目のマイナスとなった。そして外国投資の波が引くと、海岸には政治的なごみが散乱しているということになりかねない。

新興国の中でも外国資金の必要度が最も高いトルコ、南アフリカ、インド、インドネシア、ブラジルの「フラジャイル・ファイブ(脆弱な5カ国)」は、資金獲得競争が激化する一方で国内経済が急速に勢いを失い、政治リスクが増大した。

この5カ国はすべて年内に選挙が予定されており、トルコにおける汚職事件捜査の広がりや、南アやブラジルでの大統領の支持率低下について地元では不安が高まっている。

南アとインドは年内に議会選挙を控え、ブラジルとトルコは大統領選が予定されている。インドネシアは議会選と大統領選の両方が行われる。実際のところ、年内に主要な新興国12カ国で何らかの選挙が予定されている。

M&Gインベストメンツは今週、顧客向けノートで「2014年は新興国市場での異例な政治イベントから跳ね返ってくる影響が大幅に強まるだろう」と指摘。新興国では選挙の見通しによって純資本流入が一時的に減る可能性があるとした上で、資本逃避、外国直接投資の遅れ、ポートフォリオ資産の流出、通貨や債券のヘッジ需要の増大などに言及した。

ただ、あらかじめ分かっている選挙を切り抜けるのはどちらかといえばやさしいことかもしれない。過去4年間の最大の政治リスクは中東・北アフリカの「アラブの春」や最近のウクライナでの抗議行動のように突発的な事象だった。

政治リスクをあらかじめ見極めたいと考えているファンドにとっては、事前の警告や評価制度が重要だ。

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