エアバスとミニスカ、スカイマーク仰天戦略 LCC台頭で、新興エアライン“元祖”は勝ち残れるか

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「お客さんが本当に求めているのは広くて安い座席。当社のような料金設定で、これだけの快適なシートを提供できる競合は存在しない」。西久保社長は自信を見せる。さらに話題づくりのため、3路線で期間限定で特別に着用するミニスカートワンピースの制服を披露(冒頭写真)。報道陣を仰天させた。同社の通常の制服はポロシャツとズボンというきわめて実用的なものだった。それだけに、かなり大きなイメージチェンジといえる。

現在、複数のLCCが台頭してきたことで苦戦中(撮影:今井康一)

スカイマークといえば、機内サービスなどを簡素化した低コスト運用により、大手に比べ割安な運賃をテコに成長した新興エアラインの元祖。その同社が“快適性”という新たな基軸を打ち出すのは、「過当競争下で生き残るため」(西久保社長)だ。

日本の航空市場には12年から複数のLCCが新規参入し、大手の3分の1程度という激安運賃で一定のシェアを獲得した。スカイマークもその影響を被り、特にLCCと真っ向から競合する成田空港発着便が苦戦中。14年3月期の営業利益は23億円と前期から半減する見通しだ。

グリーンシート仕様機を導入する羽田発着の主要3路線は搭乗率、単価ともに高い。LCCは羽田発着枠の割り当てを受けていないため、直接的な競合も限られる。そのドル箱路線で広いシートを武器に大手から客を奪い、収益の安定度を高める戦略だ。「どの産業を見ても、勝ち残るのは安さとクオリティを兼ね備えた企業だけ。今回のグリーンシートでLCCとの消耗戦から完全に抜け出す」(西久保社長)。

超大型機で国際線参入

スカイマークは今年、もう一つの大技を用意している。エアバスが誇る総2階建ての超大型旅客機「A380」型機で、14年末に成田─ニューヨーク線を就航し、国際線に参入するのだ。

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