「マルチタスク」での仕事が極めて非効率な理由 アスリート並みに集中するための4つの方法

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あまりに簡単なゲームは刺激が少なすぎてハマる人はいません。逆に極端に難しすぎても、やる気が失せてしまいますよね。これは仕事でも同じです。仕事の適難易度がゾーンに入れるかどうかを左右するのです。

こう言うと「仕事は上司から与えられるものだから難易度は変えられない」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、はたしてそうでしょうか。

仕事のレベルを自分で上げる

例えば、データ入力の仕事を与えられたとします。「こんなの簡単でつまらない」というレベルの仕事です。そのままのテンションで作業をはじめてもゾーンに入れないことは目に見えています。

そんなときは、仕事のレベルを上げましょう。

例えば「普段なら30分かかるけど、今回は15分で終わらせる」といったように、あえて難易度を上げるのです。コツは達成できるかどうかギリギリのラインに設定することです。

逆に極端に難しい仕事を与えられたら、少しレベルを下げてみましょう。例えば、上司から分厚い専門書を渡されて「明日までに勉強しろ」と言われたとします。パラパラとめくってみても知らない用語だらけで、すべてを理解することはまず不可能です。

そんなときは、とりあえず目次と各見出しだけは見て、細かいところは読まずに大枠だけ捉えたり、自分にとって少しでもなじみがある、興味の持てるところから読みはじめたりしましょう。それだけで難易度は現実的なレベルに落ち着きます。

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このように、与えられた仕事であっても難易度の調整はできます。あとは自分がゾーンに入りやすい「適度な難易度」とはどれくらいのものなのかを知っておくだけです。

まとめると、以下のようになります。

1、自分のルーチンを確立する

2、集中しやすい環境に身を置く

3、いまやるべき仕事を具体的にする

4、簡単すぎる仕事は難易度を上げる、難しすぎる仕事は難易度を下げる

以上のことを実践すれば、あなたも仕事中にアスリート並みの集中力を手に入れることができるでしょう。

宇都出 雅巳 トレスペクト教育研究所代表・学習コンサルタント

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うつで まさみ / Masami Utsude

速読×記憶術を活用した勉強法の専門家。トレスペクト教育研究所代表。1967年生まれ。東京大学経済学部卒。出版社、コンサルティング会社勤務後、ニューヨーク大学に留学(MBA)。外資系銀行を経て、2002年に独立。30年以上にわたり、速読・記憶術を試験勉強に活用しながら実践研究を続け、独自の勉強法を確立した。多くの受験生を司法試験、医学部受験という難関試験で合格に導きながら、自らもCFP、行政書士、宅建士、50代で公認会計士、システム監査技術者試験などに合格。現在は監査法人に勤務。著書に『速読勉強術』(PHP文庫)、『どんな人でも1番結果が出る勉強法 合格は「あたりまえ化」の法則』(TAC出版)など。

 

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