1日3分!視力を回復させる「根拠のある方法」 最新論文で話題「ガボール・パッチ」の威力

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「ガボール・パッチ」とは「ガボール変換」という数学的な処理をすることで生まれる縞模様です。ガボールとは、開発者のデニス・ガボール博士からきています。ガボール博士はホログラフィーの発明で1971年にノーベル物理学賞を受賞しています。

「ガボール・パッチ」は、もともとは視力回復のために開発されたものではありません。しかし、ガボール変換を行ったものは「脳の視覚野」に作用しやすいと考えられていたため、視力回復のために使用してみたところ、改善がみられました。結果として、現在では多くの研究がおこなわれるようになりました。

ただ、この方法は、日本ではほとんど知られておらず、ガボールによる視力回復の日本語論文は一つもありません。現在研究されているのは海外のものばかりで、文献もいずれも英語で書かれています。

具体的には、ガボール変換した画像を読み取る訓練をすることで視力を改善していきます。つまり画像を見るというだけです。メスを入れる必要もないですし、目をもんだり動かしたりなど負担をかける必要もありません。私はこの「ガボール・パッチ」を使った視力回復法を「ガボール・アイ」と名付けました。

視力をよくしたければ手術をするのが一番なのは確かです。ですから、リスクをとっても構わないのであれば、手術を選ぶのも悪くはありません。

現在ではレーシック以外にもICLという角膜を削らない方法や、眼内レンズを入れる方法など、多くの手術法があります。それぞれのメリットがありますが、手術にはデメリット・副作用(合併症)もあります。

一方、「ガボール・アイ」であれば画像を読み取る訓練だけなので、副作用(合併症)がありません。あらゆる年代・家族にもすすめやすい方法と言えます。

脳が鍛えられるメカニズム

それでは、いったいどういうメカニズムなのでしょうか。簡単に説明したいと思います。

モノを見ているとき、人間は目でみた映像を脳で処理して見ています。そのため脳梗塞や脳出血などがあると、たとえ目に何の異常がなくても視力が0.1になることがあります。

これは、脳の病気により見たものを脳で処理する能力が落ちてしまうためです。同様に認知症であったり、脳の機能が落ちると視力が下がってきます。認知症の患者さんですと、受け答えが鮮明にできる方であっても視力が出にくい方がいるのはこのためです。

逆に目が多少悪くても、脳が補ってくれるという部分があります。例えば盲点といって、人間の目は片目で見ると一部分が見えません。

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