高級ファッション業界の、華麗でハードな仕事 私がファッションジャーナリストになるまで

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パリやミラノの展示会で新作のコレクションをみてオーダーをするバイイングは、ファッション業界でもあこがれの仕事のひとつですが、現実は、連日休む暇もなく、さまざまなブランドを駆け足で回り、食事をする間も惜しんで発注作業に没頭。夜は買い付けメンバー全員でホテルのロビーに集まり、深夜に及ぶまで数入れをするという超体育会系でハードな日々が続きました。

人生のご褒美

一方で、すてきなご褒美もありました。世界的に有名なブランドを率い、多くの人が賞賛し、ファッション業界で働く人なら誰もが知るトップデザイナー。みなさんは、カール・ラガーフェルド氏をご存じでしょうか? そうです、あのシャネルのデザイナーをすでに30年以上務めている、ファション界の巨匠です。

 

 

著者撮影:ファッション界の帝王 カール・ラガーフェルド氏

お会いしたのは、メンズのパリコレウイークに行われたディオール・オムのアフターパーティ。パリ・オペラ座を貸し切ってのイベントは、オシャレなファッションピープルが集うまさにゴージャスなパーティ。

当時のデザイナー、エディ・スリマンの服を絶賛していたカール・ラガーフェルド氏が登場し、会場の熱気と盛り上がりはピークに達しました。

そんな飴と鞭をかね備えた職場でしたが、結果、そこでの経験が次のステージへ上がるために、さらには現在の仕事のベースを作るために必要だったことは、疑う余地がありません。なにより、同世代(当時は20代)の若いメンバーの情熱や斬新な発想に触れ、とても刺激的な経験をたくさんさせてもらいました。

挫折という名の転機

その後、私はアシスタントバイヤーからMD(マーチャンダイザー)にステップアップするため、ミラコレブランドのジャパン社に転職します。

ショップマネージメントや百貨店営業など、キャリアとしては順調に経験を積んでいたのですが、30歳を過ぎた頃に、今までにない大きな挫折が訪れます。

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