あなたの会社の“遼君"を育てよう!!

プロゴルファー&フィジカルトレーナー/石渡俊彦

 みなさん、明けましておめでとうございます。

今年こそは上手くなるぞ! とすでに初打ちを終えたゴルファーも多いと思います。昨年のゴルフ界は遼君に始まり遼君で終わった、そんな1年でした。今年もツアー界の話題を引っ張ってもらい、さわやかな風を吹かせてほしいものです。

さて、石川遼君に関してはさまざまな賞賛の声を耳にします。なぜあれだけ多くのファン、しかもさまざまな層の関心を引き付けるのでしょうか? 不況の中、ここからいま企業が取り組むべき課題が見えてきました。

まず、既存のゴルフファンの関心を高めたことについて。かつて1990年代の後半、言わずと知れたゴルフ界の立役者AON(青木・尾崎・中嶋)のみなさんが、日本オープンのタイトルを10年間にわたり奪い合っていた時期がありました。私は縁あって中嶋プロのキャディをさせてもらっていましたが、間近で感じる空気はまさに真剣勝負! そうです、この3人は“勝負"をゴルフファンに見せつけてくれ、ファンはそんな自分のひいきとする選手に声援を送っていたのです。しかしその後、男子ツアー界はやや低迷と言われる時期がありました。成績や優勝スコアを見ると、(道具の向上もあり一概に言えませんが)明らかに若手の方がいい。ではなぜいまのように盛り上がらなかったのか? ゴルフ“ゲーム"を展開していた、私はそんな風に感じ、ここに経済の世界で言う効率化による利益優先の構図が重なり、喜怒哀楽の人間模様を感じなくなった気がします。

しかし、遼君は常にゴルフを通じて“勝負"を見せてくれます。彼のアグレッシブなゴルフスタイルは全盛期のジャンボ尾崎さんに似ています。彼がロングホールに来ると、刻むことをファンは許してくれない。そんなイメージを彼は自ら作り、実際期待どおりのプレーを見せてくれる。また彼のイメージがいい。人間が相手の印象として感じる要素に「視覚的要素」「聴覚的要素」「言語的要素」があります。視覚とは見た目、彼はルックスもいいが、さらに笑顔がいい。聴覚とは発する声のトーンやメリハリ、彼のコメントは常に心に響き、ファンも共感します。そして言語的要素。これはコメントの内容ですが、そこからは人格・教養の高さ・知性などが感じられ、コメントを重ねるごとに彼がどんどん成長していることは、みなさんもうかがい知るところだと思います。こういったさまざまな要素の平均点の高さが、ゴルフファンのみならず、女性ファンも引き付けるのです。

さてこの3要素ですが、これらを備えた魅力ある社員やスタッフが社内にどれだけいるか、もしくはどれだけ教育できるのか、私はこれによって企業の業績が大きく変わると信じています。単に人員の削減だけではなく、これからは、社員教育こそ、問われるのではないでしょうか。

プロゴルファー&フィジカルトレーナー/石渡俊彦(いしわた・としひこ)
1965年千葉県生まれ。プロゴルファー&フィジカルトレーナー。けんこう寺子屋ゴルフスクール主宰。選手時代のケガの経験からプロトレーナーに。中嶋常幸プロの復活に貢献、高い評価を受ける。一方、若手育成やアマチュアのレッスンにも力を注いでいる。
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