西友のダイバーシティが一歩先行く理由 組織図にない組織が活躍

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現場のアソシエイトが何を障害と感じているのか、定期的に耳を傾けることは重要だ。障害となるものが変化していく可能性もある。その意味でも、「ヒアリングセッション」は重要な取り組みといえる。

店舗はダイバーシティ推進の現場

「DCカウンシル」による取り組みの3つ目は「店舗見学ツアー」だ。現在、374店舗のうち24店舗が女性店長。

そこに「DCカウンシル」のメンバーが出掛けて行き、活躍している女性リーダーに会い、その仕事ぶりを見たり、交流を通じてヒントを得るというものだ。現場のマネジメントについて、DCでも参考になる点、展開できることなどを学ぶよい機会になったという声が集まっている。

店舗はお客様と接する営業の要であり、ダイバーシティ推進の現場でもある。そこを見るのは大きな意味があると思う。

──主に直近の活動についてお伺いしてきましたが、過去の取り組みの中で、特に重要なもの、特に印象的なものを挙げるとすれば、何になりますか。

たとえば、男性管理職を対象にした「ダイバーシティ&インクルージョンセッション」が挙げられる。女性役員がファシリテーターとなって進めるグループディスカッションがメインで、男性管理職が女性の活躍推進についてどのように考え、どのように行動しているのかを聞いていくというものだ。その中で互いの経験を共有し、悩みをぶつけ合い、解決策を探ることになる。

最初はなかなか本音が出てこないのだが、誰かが思い切って本音を話すと、議論が深まる。参加してよかったという人が多かった。

──男性管理職としては、なかなか本音が言えない気がしますが。

人事部内にある組織が担当するよりも、「女性リーダーカウンシル」という組織図上にはない、ボランティアで活動しているからこそ本音が聞き出せる。

ダイバーシティの推進には男性、女性が互いに認め合うことが大切なのは言うまでもないが、特に男性上司のマインドセットが重要だ。参加した男性も部下を持つ人たちだ。女性の活躍推進についてより深く理解しようという気持ちで出席してくれたのだと思う。

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