2014年の自動車業界はどうなる? 豊田章男・日本自動車工業会会長に聞く

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2013年は自動車業界の復調が鮮明になった年だった。2013年4~9月期決算は7社のうち6社が大幅な増収増益を達成。為替が円安に推移したことによる増益効果に加え、北米市場が好調だった。ただ中国や新興国での販売が減速するなど、先行きには不安もある。
2014年の自動車業界はどう動くのか。豊田章男・日本自動車工業会会長に話を聞いた。

 

――2014年はどういう年にしたいか。

確実に一歩進める年にしたい。木はある年に急に成長した場合、非常に弱い。毎年同じ幅の成長をして同じ幅の年輪を刻んでいくことが大事だ。

トヨタ自動車の社長に就任して以降、2013年は自動車業界として初めて平穏無事な1年になった。平穏無事とは、毎日健康で生産と販売ができるということ。そうすると結果がついてくるが、好業績であっても調子に乗らない。多少落ち込んだとしても、卑屈にならない。ぶれない軸を持ち、確実な年輪を重ねて行く。

――業績が好調な自動車業界は、日本経済の牽引役としての期待がかかる。春闘への取り組みは?

国際競争力をつけることが大事だ。日本のメーカーは、日本に生産や開発の拠点を持ち、グローバルで戦っている。日本での競争力を維持しながら、グローバルでの競争力をどう高めていくか。そのことに尽きる。質問に答えていませんね(苦笑)

――2014年の国内販売とグローバルの販売見通しは?

軽自動車、2輪などすべての車が増税になる。ある程度の落ち込み、4月以降の反動減は避けられない。ただ、その大きさがどのくらいかはまだわからない。国内市場の見通しは1月末に発表する。

グローバル市場はまだまだ先行きは見通しが難しい。かつてのように急成長の絵は描きづらい。確実に一つひとつやっていく。

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