「元来の日本は、オープンかつ競争志向だ」

『君に友だちはいらない』を書いた瀧本哲史氏に聞く

 コモディティ化、ブラック企業と、時代を読み解くキーワードを示した著者が、本書ではチームアプローチにこだわる。「ビジネス書のようだが、実は日本社会論。文芸書のような楽しさも込めた」と言う。

僕の中にある「日本観」

──カバーが印象的です。

カバーには、黒澤映画『七人の侍』の一場面から抜き出した7人の人物が配され、グラビアっぽい。電子書籍の時代に紙の本で残すのだから、本であることにこだわりがあるものにしないと意味がない。雑誌のような発想で作っている単行本として、紙や造本をはじめ、いろいろと工夫をした。

──英語の副題がついています。

実はその副題の“The Best Team Approach to Change the World”が実際の内容。要するに、「世の中を変えるようなことをするにはどういうチームを作ったらいいのか」が、この本のテーマだ。『七人の侍』は、7人をチームとして考えたときにその作り方がまず面白い。世界の人がイメージする日本人のチームワークは、むしろこれではないか、と思い、考えついた。

──チームワークという言葉には日本的なイメージがあります。

われわれが日本的と呼んでいるものには大きな誤解がある。いわゆる日本的なものはここ20~30年の実績しかない。本来の日本的なものはもっとダイナミックで、世界的に普遍性があるものだと言いたい。この本の最後に、日本社会や日本人を再定義しようと書いているのも、この認識に基づいている。多様な人が集まって新しいことをやっていくのは、実は日本的なことなのだ。

日本は東アジアのフロンティアに位置し、リスクを取ってチャレンジする人々が逃げ込んできて、肥沃な土地だったから定住した。事実、渡来人がたくさん来ている。そして、今の日本人は新たに来た人と一緒になってできた。だから、元来の日本は、オープンかつ競争オリエンテッドで、「堅い組織」ではなかった、という日本観が僕にはある。

──今なぜチームアプローチ、仲間づくりなのですか。

世の中が大きく変わっている。「正道なこと」を本業の人がやっていても成功は難しい。成功するには邪道なことを傍流の人たちが集まってやる。それが当たり前になった。つまり、今までと違うことは、これまでと違うメンバーでやることによって実現できると考えている。

だから、どういうことが新しいことかと語るよりも、どういう違うメンバーで運営するか、その組織構成のほうが重要になる。新しいことを今までと同じメンバーでやっても、いいことはない。新しいメンバーによる、元来の日本的な働き方ならば、できるようになる。

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