「名前」をなかなか覚えられない人へ記憶のコツ 特殊能力は必要なし!訓練で身につける方法

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新しい出会いや再会の多い4月、「人の顔と名前が覚えられない」という方もいることでしょう。記憶するためのワザを、記憶力競技の日本チャンピオン平田直也さんに教えてもらいました(写真:BrianAJackson/iStock)

「私は記憶力競技の日本チャンピオンです」

このような自己紹介をすると、「見たものをすべて覚えてしまうんですよね。すごいですね」といったことを言われます。写真を数秒見るだけで細部まで思い出すことができる、一度読んだだけで本を暗唱できる……。記憶力がすごい人のイメージは、おおよそこのようなところでしょうか。残念ながら、私にはそのような特殊能力はありません。

しかし、次のようなことは、朝飯前です。1行に10桁の数字がランダムに並んでいて、それが全部で10行、すなわち100桁の数字があります。これを1分で覚えるのです。

1分で覚えるとなると、「生まれ持った特殊な記憶力がなければ無理!」そう思いたくなりますよね。しかし、私には先天的な記憶の特殊能力は備わっておりません。

だから、日常風景を逐一覚えてはいませんし、眼の前の光景を一瞬で写真のように記憶することもできません。では、何がみなさんと違うのでしょうか?

記憶術を知っているから

それは、私が記憶するためのワザ、「記憶術」を知っていることです。覚えようとするとき、私は、ぼーっと数字を眺めているわけではありません。1分間のうちに、変換表に従って数字を具体的な「もの」に置き換え、それを、あらかじめ用意してある頭の中の「場所」に順番に置いていっています。

そして、思い出すときには、頭の中の場所を順番にたどるのです。拙著『世界最強記憶術 場所法』の中で詳しく解説していますが、ここでは同書から、ビジネスマンの多くが悩む「人の名前が思い出せない」という課題の解決策について紹介します。

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