「バカ売れベストセラー」のつくり方 「一冊にまとめてみた」、販売即日増刷決定!

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編集のプロたちの、編集力がすごい

さて、東洋経済編集部の皆さんだが、さすが本づくりのプロだけあって、その編集力がすごいのなんの。まず誤字脱字を1カ所でも減らすため、担当編集者だけでなく敏腕編集者をさらに3人ほど投入して、多くの人に何度も新しい目で読み直してもらう。

ただわたしは接続語の語感や助動詞・助詞の選定、漢字にするか平仮名にするか、句読点を入れるかどうかに関して細かいこだわりがあるので、何度も突き返してはそれに対しまた提案をもらって、といった作業が直前に何度も繰り返されることになる。

このとき私は、われながら細かいところまでひたすらこだわって直前まで編集部の皆様にご迷惑をかけたのだが、それにしてもわかりにくい部分や整合性が不明瞭な箇所など、東洋経済の優秀な編集部のリソースを大いに投入して完成度を高めていただいた。

表紙のデザイナーがこれまたすごい

実はこの表紙のデザイナーさんも、一流の実力者を東洋経済編集部が起用してくれた。288ページという異例のページ数を1300円に抑えながらも、売れ行きを左右するデザインには最も値段の高い一流どころのプロを惜しみなく投入してくれたのも、東洋経済編集部の皆さんからの本書に対する強い期待と信頼のなせる業であり、心から感謝している。

本の値段も商品の値段と同じで、大量に需要があれば生産量も増え、規模の経済が働き、その本を制作するのにかかった多大なコストにもかかわらず、低めの値段で出しても採算がとれるのが、東洋経済のような大手出版社で本を出す魅力の一つでもある。

なおこの色使いといい、文字のデザインといい、文字の配置といい、私は非常に気に入っており、この表紙デザイナーさんでなかったら私の思い描いていた「1冊にまとめてみた」は到底、完成しなかっただろう。

またカバーだけでなく中身の文章部分も同じデザイナーさんにデザインいただいたものである。このデザイナーさんによる工夫の一部をお伝えすると、たとえば仕事編とプライベート編ではページのレイアウトが変わっていたり、エピソード部分は一目でわかるような工夫がなされており、無意識レベルでも読者に手にとってもらうための仕掛けがいろいろなされているのである。

ちなみにこの本書のタイトル『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』は編集者の中里氏の発案であり、私は当初「『グローバルエリートは見た!』でええんとチガウか」などと適当なことを言っていたのだが、確かにオンラインコラムをお読みでない方が「グローバルエリートは見た!」というタイトルだけ見ても、ちょっとあやしいヒトが書いた冗談本だと誤解され、何の本だかよくわからなくなってしまっていたことであろう。

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