獣や魚がどうなのかは知らない。だが古今東西、老若男女、人が悩み、迷うのは確か。“戦う哲学者”中島義道氏が開く人生相談道場に“同情”はない。ここにあるのは、感受性においてつねにマイノリティに属してきた中島氏が、壮絶な人生経験を通じて得た、ごまかしも容赦もない「ほんとうのこと」のみ。“みんな”の生きている無難な世界とは違う哲学の世界からの助言に、開眼するも、絶望するも、あなた次第である。
※中島義道氏への人生相談はこちらから
今回の相談は挑戦的!
今回のご相談は、今までとはずいぶん趣が違いますね。しかし、全然、意外ではありません。「心の中でウジウジ悩んでいる人を見ると正直、バカにしてしまいます。中島先生、悩むのはバカらしいと思いませんか?」という挑戦を受けると、まず、「ああ、思いますよ」と書いてオシマイにしたくなる。
というのも、どうも相談者はこういう回答を期待しているのではないらしいから。そうではなくて、私が「いや、ちっともバカらしくないのだ」と力説する答えを求めているらしい。さらに、「そんなことを考えるあなたは、真剣に生きていない証拠です」という説教調の回答さえ求めているように感ずる。とすると、どうしてもそう答えたくないのが私の性分なのです。とはいえ、「それでいいんじゃありませんか? 何が問題なのですか?」という突き放した回答をしても、まんまと相談者の手に乗るような気がしてイヤなのです。
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