経済順調でもくすぶる、日銀の追加緩和観測

消費増税の環境整備、政策を総動員か

12月20日、経済・物価の動向が日銀のシナリオに沿って順調に推移しているにもかかわらず、市場では来年前半の追加緩和観測がくすぶり続けている。写真は記者会見場を去る黒田総裁(2013年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 20日 ロイター] -経済・物価の動向が日銀のシナリオに沿って順調に推移しているにもかかわらず、市場では日銀による来年前半の追加緩和観測がくすぶり続けている。

2年程度で2%の物価目標の実現を目指す日銀と市場の物価予想に依然としてかい離が大きいためだが、2015年10月の2度目の消費税率引き上げの環境整備に向け、政策を総動員するのではないかとの思惑もある。

日銀の黒田東彦総裁は20日の会見で、これまでの経済・物価動向は「極めて順調」とし、「想定通り着実に改善している」と成果を強調。生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)の前年比上昇率が年内にも1%を超える可能性を指摘しながら、「2%の物価安定目標に向けた道筋を順調にたどっている」と、目標達成にあらめて自信を示した。

それにもかかわらず、市場の追加緩和観測は衰えていない。日本経済研究センターが民間エコノミスト約40人を対象に実施している「ESPフォーキャスト調査」(12月調査)によると、2015年度のコアCPI見通しの平均は消費増税の影響を除いたベースで0.96%。日銀は1.9%を見込んでおり、隔たりはなお大きい。日銀はいずれ物価見通しの下方修正に迫られ、追加緩和にかじを切るとの思惑が市場の底流にある。

さらに安倍晋三政権が経済再生を最重要課題に掲げる中、来年4月の消費税率引き上げ(3%)と、2015年10月に予定されている2度目の消費増税(2%)のインパクトが、大きなポイントとしてクローズアップされつつある。その結果、景気への悪影響回避が、政府・日銀の至上命題となる構図ができ上がったようだ。

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