東大カリスマ教授の「超ハック術」 塩野誠×松尾豊 特別対談(上)

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メジャーリーグを目指してスタンフォードへ

塩野誠(しおの・まこと)
経営共創基盤(IGPI)パートナー/マネージングディレクター。慶應義塾大学法学部卒業。米国ワシントン大学ロースクール法学修士。 シティバンク銀行、ゴールドマンサックス証券、インターネット関連会社起業、ベイン&カンパニー、ライブドア証券取締役副社長を経て、現職。

塩野:その後、スタンフォードに行ったのですね。どうしてスタンフォードに?

松尾:スタンフォードは、やっぱり行かないといけないと思っていました。というのも、実は大学院で博士課程2年のときに、勝手にアメリカの人工知能学会に行ったのです。

塩野:勝手に参加ですか? 完全にハッカーですね!(笑)。

松尾:博士課程にいって一生懸命研究していたので、それなりに成果も出ていました。なんとなく、国内の学会ではみんなも褒めてくれました。そこで、なんか変だなあと思ったのですね。「そんなわけないだろ!」みたいな。

割とスポーツはやっていて、中学までは野球をやっていたのですが、勝ち上がっていく中で、絶対に上に行けば壁があって、乗り越えてまた次のステージに行くのが普通だと思うのですね。何も壁がなくて、褒められているだけというのはおかしいのではないかと。これってもしかして、下のほうのリーグにいるのではないかと。

塩野:戦っている場所がメジャーリーグじゃないのではないか?と思ったわけですか?

松尾:それで、アメリカの人工知能学会というところがあるなら、行ってやろうと思いました。全然、関係ない学生がいきなりやってくるというのは、あまりない。そんなやつが、つたない英語で一生懸命しゃべっている。しかもポイントはそうとう外している。外しているのだけれど、一生懸命話している。

終わった後に、質疑応答の時間があるのですが、全然、質問が出ない。聞いていてもよくわからないから(笑)。そうすると、司会の人がすごく優しくて、丁寧に質問してくれる。「あ、これ質問してくれてる」ってわかりましたね。非常に悔しかったのですが、こういうところでちゃんと戦わないとなあとは強く感じました。

その帰りにカリフォルニアによって、スタンフォードを見て、いつか必ず来ようと、心に決めて帰りました。

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