真に機能する、在宅勤務制度のツボ NTTコミュニケーションズのテレワークの実際

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ノー残業デーの徹底が奏功

以前は、特に男性社員は、上司や同僚が出社しているのに自分だけが自宅で勤務することに抵抗感を感じる人が多かった。ところが、営業担当者を中心に外でPCを使いメールやデータのやりとりをするワークスタイルが定着するにつれて、そういった抵抗感が減ってきたのが要因のひとつだろう。

ただし、完全に払拭されたわけではない。eワークが利用されている曜日としては水曜日と金曜日が多い。実は、水曜日、金曜日はノー残業デーだ。自分がeワークを終える時刻には、職場でも上司・同僚が退社するため、心理的な負担が少ないからだろう。見方を変えると、ノー残業デーを徹底していることも、この制度が利用しやすいものになっている要因だと思う。

ほかに男性社員の利用者が増えてきた要因としては、2011年より会社が積極的に働き方改革を推進し、ワークスタイルを変えることをよしとする姿勢を見せ始めたことも挙げられる。男性上司に制度への理解があると、部下は使いやすい、つまり働きやすい。

そのため上司の立場にある人には、一度自分も使ってみて欲しいとよく言っている。使えば、その便利さや上司として何に注意すべきかがよくわかる。

──制度を運営する上で大切なポイント、注意すべき点としては、どのようなものがありますか。

制度を円滑に回すために何がいちばん重要か──、行き着いたのが日頃のコミュニケーションの重要性だ。制度を利用するのは上長の承認が必要だ。これは機械的に承認を与えるということではなく、「その日にeワークをするのであれば、この仕事をしてもらう」というように、ある程度、細かいことまで話した上で承認を与えるのである。

場合によっては、予定していた仕事の順番を入れ替えるなどの柔軟な対応が求められることもある。それを行うには、やはり普段から円滑なコミュニケーションを取っていることが必要だ。

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