2009年こそ政治が生命力を発揮する年に

2009年こそ政治が生命力を発揮する年に

塩田潮

 子年の2008年がまもなく幕となる。年初から解散・総選挙が注目されたが、「大山鳴動『鼠』一匹」で終わるため、09年も引き続き解散問題が政治の最大の焦点となる。
 勘だが、「4月解散・5月選挙」が50%、「6月解散・7月選挙」と「1月通常国会冒頭解散」が各20%、「任期満了選挙」が10%の確率と見る。「冒頭」だと、もちろん麻生首相主導の解散になるが、「4月以降」の場合は、ポスト麻生の新首相による解散もあり得る。現段階では与党の一般的空気は「4月以降」だ。その線で早々に来年の国会スケジュールが決まり、細田幹事長ら自民党幹部も口を揃えて「4月以降」を唱える。

 だが、あまりの大合唱だから、これは臭い。相手を油断させ、虚を衝く作戦ではないかと裏読みしたくなる。先に行けば行くほど袋小路という自覚はあるはずだから、さらさら辞める気なんかない自信家の麻生首相が「冒頭」で勝負に出る可能性は、実はかなり高い。確率は20%どころではない。
 もしかすると、丑年に入った途端、首相は「鈍牛」から「猛牛」に早変わりするかもしれない。明日からの首相の年末年始の過ごし方が要注意だ。

 解散問題と並んで、総選挙後の政権の姿・かたちも来年の政治の大きな焦点となる。それによって政・官・民、さらに中央・地方など国の姿・かたちがどう変わるか。もう一つ、リーダーの人材枯渇という危機状況をどう打破、克服するかという問題も重要テーマだ。
 いずれの課題も、総選挙で示される国民の意思が決め手となる。国民の側からすれば、来年こそ民主主義が有効に機能して自ら政治の行方を決する年となる。経済の悪化は危機的で、麻生政権はレームダックだが、政治は死に体ではない。

 民主主義という視点に立てば、来年こそは政治が生命力を発揮する年である。「はーやーくこいこいお正月」だ。
塩田潮(しおた・うしお)
ノンフィクション作家・評論家。
1946(昭和21)年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
処女作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師-代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』『日本国憲法をつくった男-宰相幣原喜重郎』『「昭和の怪物」岸信介の真実』『金融崩壊-昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『出処進退の研究-政治家の本質は退き際に表れる』『安倍晋三の力量』『昭和30年代-「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』『危機の政権』など多数
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