インドネシア人エリートに、苗字がない理由 タイのプーケットで聴く、インドネシアの今

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グローバルエリートからの講評

さて、今回はインドネシア人エリートのウィリアム・ウィリアムさんのインタビュー前編なわけだが、ご多分に漏れず前編が好評だったときのみ、後編でも詳しくインドネシア特集をお届けしたい。私がインドネシアの友人と話して感じるのは、国の未来に対する力強い楽観論だ。

実際に人口も購買力も順調に成長しており、特にeコマース関連のビジネスの伸びは目覚ましい。金融などでも先進諸国の金融業界はピークアウトして、ほかの業界に移るエリートたちが多い中、インドネシアでは銀行・証券など金融セクターの成長も目覚ましい。実際、私のインドネシアの友人は、海外で留学した後も本国に帰って仕事をする人が多く、これはほかの国よりよっぽど自国のほうがチャンスにあふれているからだと言う。

金融の世界では、中国に投資しすぎたエマージングマーケット向けの資金が行き先に困っていた中、インドでも大損をした投資家たちが次の投資先としてインドネシアに押し寄せて、短期間でバリュエーションが沸騰したというのが過去数年のトレンドだったが、短期的な調整局面はあっても、消費分野、特にeコマースの分野で爆発的な伸びを見せるだろう。

今回のインタビューに応じてくれたウィリアムは大の親日家で、日本のアニメが大好きだという。知っている日本語を聞いたところ、「どすこい」の一言が返ってきて失笑したが、めでたく後編も書くことになった暁には、ウィリアムが5年間を過ごしたサウジアラビアのビジネス環境も併せて紹介し、引き続き親愛なる読者の皆様とともに、世界に視野を広げたいと思う。

ムーギー・キム 『最強の働き方』『一流の育て方』著者

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Moogwi Kim

慶應義塾大学総合政策学部卒業。INSEADにてMBA取得。大学卒業後、外資系金融機関の投資銀行部門にて、日本企業の上場および資金調達に従事。その後、大手コンサルティングファームにて企業の戦略立案を担当し、多くの国際的なコンサルティングプロジェクトに参画。2005年より外資系資産運用会社にてバイサイドアナリストとして株式調査業務を担当した後、香港に移住してプライベート・エクイティ・ファンドへの投資業務に転身。英語・中国語・韓国語・日本語を操る。著書に『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』と『一流の育て方』(母親であるミセス・パンプキンとの共著)など。『最強の働き方』の感想は著者公式サイトまで。

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