世界中のエリートの働き方を本にまとめてみた グローバルエリートがついに書籍デビュー

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世界的に見ても稀有な渾身の1冊

自分で申し上げるのも何だが、私のキャリアの組み合わせは世界的にも極めて稀である。

大学卒業後に入社した欧州系の大手投資銀行から始まり、米系戦略コンサルティングファーム、欧米の大手資産運用会社、そして海外のプライベート・エクイティ(PE)にいたるまで、じつに幅広い業界で働く機会に恵まれた(どんな仕事かは本編でわかりやすく述べている)。

これらの業界を見渡せば、「投資銀行とコンサルの両方で働きました」という人は少なからずいる。「そのあとPEに行きました」という人も、少数とはいえ、まだ存在する。

しかし、「そのうえ公開株の資産運用大手のトップファームでも働きました」という組み合わせは、さすがに世界中を見渡しても相当稀有な組み合わせであり、「ついでにMBAまで行きました」という人には、仕事やMBA留学を通じて80か国に友人がいる私も、これまで一度も出会ったことがない(この原稿を書きながら少し不安になり、「リンクドイン」で必死に検索してみたが、やはり該当するような人はおらず、一安心である)。

世界中の一流MBAホルダーがこぞって志望する業界で、計12年にわたって一流のトップエリートのみなさんの「働き方」をつぶさに見てきた私ほど幅広い視点で語れる人間はほかにいないと自負……しているわけでもべつにないのだが、私が身近で目撃した世界中のトップエリートの働き方から、「これはすごい!」という仕事術を、「これならマネできる!」というどの業界や企業で働く人にも応用できる形でまとめたのが本書である。

これほど幅広い稀有な経歴による珍しさをアピールしたのに、書いた本がたいして面白くなかったら、これは大変なことであり、私は穴を掘って潜らなければいけないだろう。

トップエリートたちからの教訓の数々

私自身は正直のところ、本書の登場人物たちの足元にも及ばないのだが、一緒に働いてきた人たちは、そんじょそこらのたんなるエリートではない。世界中から集まった、骨の髄から毛細血管の隅々までトップエリートのみなさんである。

彼ら彼女らはハーバードやスタンフォードのMBAをたんに卒業しているだけではない。

一流のMBAプログラムを「ベイカースカラー」(ハーバード・ビジネス・スクールを上位5%で卒業)や「ディスティンクション」(上位10%で卒業)のトップクラスで卒業したようなエリート中のエリートだ。またグローバル・コンサルティングファームや金融機関でたんに働いているだけでなく、同期でもトップで出世競争を勝ち上がったような人たちである。

そのうえ、家がどこぞの財閥で、イートン校やフィリップス・アカデミーのボーディングスクール(全寮制の寄宿学校)出身、イェール大学やプリンストン大学を首席クラスで卒業し、入社したゴールドマンやマッキンゼーでは30歳そこそこでパートナーに出世、しまいには自分のファンドをつくって何千億円も集めました……という本格的なトップエリートも大勢いる。

既存のビジネス書との違いは、そうしたとんでもなく優秀な頭脳の持ち主が本書の主人公でありつつ、彼ら彼女らの「働き方」の中から、誰もが応用できるレベルまで落とし込んで仕事のスキルや教訓を書いていることだろう。

次ページコンセプトは、インターテインメント
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