砂糖工場の“甘くない”コスト削減の現場

三井製糖が60億円投じたリニューアル効果とは?

薄暗い倉庫内に山のように積まれた、精製前の茶色い砂糖

「これだけ砂糖があってもアリは寄ってこないんです」――。体育館を幾重にも積み重ねたような巨大な倉庫に、山と積まれた精製前のむき出しの茶色い砂糖 。ここは三井製糖・神戸工場にある砂糖倉庫の中。甘い空気は、長く嗅いでいるとクラクラしてしまうほどだ。

「なぜアリが寄ってこないのか、理由はハッキリとはわかりません。大量の砂糖に囲まれると、アリは砂糖に体液を吸い取られて死んでしまうため、危険を感じて寄ってこない、ともいわれています」。不思議なこともあるものだ。

神戸工場は、国内製糖最大手である三井製糖の西日本の拠点工場だ。国内の精製糖工場は、これまでの業界再編の結果、複数の製糖メーカーが共同で運営する工場が多い。たとえば、横浜の太平洋製糖は東洋精糖、塩水港精糖、フジ日本精糖。千葉の新東日本製糖は大日本明治製糖、日新製糖、大東製糖。大阪・泉佐野の関西製糖は塩水港、大日本明治、大東、中日本製糖の共同工場、といった具合だ。

その中で、三井製糖は2005年の新三井製糖、台糖、ケイ・エスの3社合併を経て、自社単独工場と販売の製販一体を維持している。

岡山を閉鎖し、神戸に集約

神戸工場は、1970年代初頭に造成された神戸市の食品コンビナートの一角にある。さとうきびから抽出した精製前の砂糖(原糖、粗糖)は、タイや豪州から運ばれてくることが多い。そのため、輸送船から荷揚げして直接倉庫に搬入できるよう、三井製糖の工場はコンビナートのいちばん海側に位置する。

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