朴政権、右往左往続き評価は「期待以下」 韓国・朴槿恵政権の経済政策1年の評価

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政府が最も力を入れていた雇用率70%達成という公約も、実現は不透明だ。オランダモデルを参考にした時間選択制で雇用を増加すれば2017年に目標達成は可能と政府は主張する。現在、韓国の雇用率は64.2%。この10年間で1%も上がっていない。70%を達成しようとすれば、新規雇用が200万必要だが、現在の経済構造としては事実上不可能というのが大勢だ。

雇用労働省雇用政策室のイ・ジェフン室長は、「70%に執着して雇用増加策を実施するものではない」と言うが、政府は部署別にどれだけ時間選択制による雇用を創出したか隔週ごとに評価・点検している。数字だけを求めると悪い雇用を量産してしまうという指摘も多い。一部では、雇用率70%公約を「第2の747(李明博政権が掲げた7%経済成長率、4万ドルの国民所得、世界7大経済大国入りという公約)」と同様に中身のないものだという批判もある。

主要公約の具体策を国民が知らない

 朴槿恵政権が経済についてアジェンダセッティングを誤ったという指摘も多い。朴大統領は就任直後に経済関係大臣会議を15年ぶりに復活させ、経済民主化と創造経済という巨大アジェンダを提示した。だが、結果として二つの概念を国民に理解させられずにいる。韓国経済研究院が10月に19歳以上の男女2000人を対象に行った調査では、回答者の半分が「創造経済と経済民主化という用語を聞くが、内容はよくわからない」と答えている。韓国科学創意財団が韓国内成人男女1000人を対象に行った調査でも、42%は「創造経済という言葉を聞いたことがない」と答えている。創造経済を聞いたことがあるとした回答者の67%は、「聞いたことがあるが内容は知らない」と答えている。

 経済民主化に対する評価もお粗末なものだ。経済改革研究所が最近実施した「政府経済政策に対する国民意識調査」によれば、経済民主化政策についてA、B、Cの三段階評価で評価してみたところ、回答者(1000人)の39.7%はCを付けた。Aは5.5%、Bは29.5%だった。また、朴槿恵政権の経済政策が中小企業中心だと思う人の回答率は14.5%に過ぎなかった。今年3月に実施された同様の調査より20%も下落している。

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