スマホ対応と医療保険強化が最重要課題 岩瀬大輔・ライフネット生命社長に聞く

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——スマホ対応も重要ですね。

10月28日にスマホサイトのリニューアルをした。その後、当社を取り上げたテレビ番組の再放送もあり、スマホ経由での申し込み件数が大きく増えている。リニューアルに際しては、持病のある方や過去に病気をした方でもスマホ経由で申し込めるようにした。また、操作途中までの情報を保存して、パソコンで続きができるようにするなど、スマホとパソコンの連動性を強化した。現在はウェブ中心だが、申し込み経路の多様化も検討課題だ。

——医療保険では、対面チャネルを中心とする保険会社が保険料の安さを売りにする商品を次々に投入しています。同分野への対応も必要ですね。

死亡保障商品は依然として競争力がある一方、医療保険の見直しが必要だと考えている。まったく新しい商品を出すことよりも、まずは既存商品のリニューアルが先だ。

——韓国で合弁会社を設立しました。

プロジェクトは3年前から検討してきた。上場時にも調達資金の一部を海外での事業展開に用いると申し上げてきた。金融機関の育成は、10年、20年かけて行うものだ。IT先進国である韓国で築いたノウハウを日本に持ち帰ることもできると考えている。

——成長力回復の手応えは。

新契約が伸びているかどうかにマーケットが注目しているのは確かだ。私たちがこれまで短期的な成長性を強調してきたのも事実だ。ただしより重要なのは、長期的な視野でネット生保のビジネスモデルを確立することだ。すでに一定の認知度とブランドは確立している。スイス・リー社という安定株主を迎え入れ、海外展開も約束どおり遂行している。あとは環境変化にきちんと合わせていけるかどうかだ。

(撮影:今 祥雄)

岡田 広行 東洋経済 解説部コラムニスト

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おかだ ひろゆき / Hiroyuki Okada

1966年10月生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1990年、東洋経済新報社入社。産業部、『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、企業情報部などを経て、現在、解説部コラムニスト。電力・ガス業界を担当し、エネルギー・環境問題について執筆するほか、2011年3月の東日本大震災発生以来、被災地の取材も続けている。著書に『被災弱者』(岩波新書)

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