あなたは親の背中が見えますか? 教えられた芸は忘れるが、盗んだ芸は忘れない

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グローバル化が進む中、親たちは、子供を世界で通用するエリートに育てるため、日々、努力を重ねている。しかし、若手マザーの中には、子育ての仕方がわか らず、周りの助言にも恵まれないケースも多い。そこで、一般的な家庭ながら、子供を国際弁護士、国際金融マン、海外著名大学教員、公認会計士に育て上げた 著者が、読者の皆様からの子育て相談に回答する。

 

今日は親の短い一言を何遍も反すうしてみることで、重要なメッセージを読み取り、主体的に生きる力とした学生さんのケースに学びたいと思います。

【慶応義塾大学 Iさんの寄稿文】
 家風は「親の背中から学べ」
 私の親の教育方針を一言で表すならば、「背中から学べ」というものでした。 私の親はどちらも高卒です。私が生まれたのは両親ともに20歳のときで、私には妹と弟がいます。そのため、幼い頃から経済状況はよくありませんでした。 そして両親が家族を支えるために必死で仕事している理由についても、幼い頃からよく考えるようになっていました。
 私が勉強もほとんどせずに遊んでばかりいた中3の夏のことです。一度も勉強のことに口出しをしたことがない父親が、「勉強しろよ、俺みたいに苦労してほしくないからな」と、初めて言ったのです。 僕は父の言葉を何百回何千回と自分の中で反すうし、本当の意図の理解に努めました。 そして1週間後、私はそれまで本気で向き合ったことがなかった勉強に、全力で取り組みました。
 半年後の受験では、進学校に合格。大学受験もその過程は同様でした。 私はこの教育方針によって、つねに自分で考え抜く力、そして主体性を培うことができたと自認しています。 この2つは、今の私を形成する強みにもなっていると考えています。
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