世界中に拡大する自動車販売不振

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米国を発火点とした自動車危機は全世界を覆い始めている。下図はリーマンショック後の10~11月の新車販売について各国の状況をまとめたものだが、赤信号、黄信号のオンパレードだ。4割減、5割減が当たり前というメルトダウン現象も、至る所で発生している。金融危機で国家破産の瀬戸際に追いやられたアイスランドに至っては、なんと85%減! 自動車販売は事実上、消滅してしまったに等しい。

11月以降はさらに事態が悪化している。たとえば10月時点でプラスを維持していたカナダは、11月に入るや10%減の2ケタマイナスに転落、すでに赤信号が灯っている。日本も11月は18%減まで落ち込み幅が拡大、危機レベルはついにレッドゾーンに突入した。

世界に飛び火する自動車不振。その背景要因は、大きく分けて三つある。まず米国の金融危機が直撃したケース、次に金融危機が実体経済に波及したケース、そして政情不安だ。

金融危機が直撃したケースとしては、冒頭のアイスランドが典型。それ以外にも欧州では、英国や北欧諸国を筆頭にあらゆる国が銀行の国家救済に動いており、米国発の金融危機が深く経済を蝕(むしば)んでいる。ハンガリーなど、海外からの投資資金によって成長してきた国ではマネー逃避が加速、1997年のアジア通貨危機と似たような状況になってきた。

金融危機で自動車ローンの貸し渋りが深刻化すれば、新車販売も当然、落ち込む。米国から始まった信用収縮の波は、欧州は言うに及ばずインドや豪州、南米にまで到達。金融危機後の資源相場急落も、大豆の一大産地であるブラジルやアルゼンチン、産油国であるロシアやベネズエラの経済に打撃を与えている。

実体経済の悪化が顕著なのは、台湾やベトナムといった輸出国。台湾は半導体関連企業の設備投資が急減、ベトナムも輸出関連企業の資金繰りが悪化し、新車販売にも深刻な影響が出ている。新興国ではインドネシアが健闘する一方、パキスタン、タイなどの落ち込みが目立つが、これらの国に共通するのが政情不安。タイの政情不安は空港封鎖にまで発展、パキスタンはテロなどの治安悪化から外貨流出が加速、輸入代金の支払いにも事欠く状況だ。

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(週刊東洋経済)

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