2期連続の最終赤字 JALの低空飛行続く

2期連続の最終赤字 JALの低空飛行続く

西松遙社長をはじめJAL役員が口にする「本業の回復」が本格化した様子はまだ見られない。(『週刊東洋経済』5月19日号より)

 低空飛行からの脱却に向けた取り組みが、緊張度を増している。JALは5月9日、2007年3月期の決算を発表した。当初、最終黒字30億円達成を公約に掲げていたが、4月に入って監査法人から突如指摘を受け、繰延税金資産を取り崩した。その結果、162億円の赤字へ転落し、2期連続の最終赤字となった。

 赤字転落に伴い、急きょ2日に開いた会見で、西松社長は「本業は回復傾向にある」と強調した。景気回復の追い風もあり、06年度は国内線、国際線の収入ともに微増を確保した。ただ、西松社長の言う「回復」が本格化したとは受け止めにくい。伸び率は全日本空輸(ANA)に比べると見劣りする。足元では国内線収入でさらに水をあけられ、規模で勝る国際線も差を埋められている状態だ。

 07年3月期は連結の営業利益で229億円の黒字を計上したが、厚生年金の代行返上に伴う360億円もの費用減が効いており、一過性の要因で救われた数字である。

 08年3月期の連結営業利益予想は、今年2月に公表した中期経営プランのとおり350億円。この計画達成を見込む最大要因は、総額500億円の人件費削減だ。特別早期退職措置の実施のほか、200億円の退職給付費用の圧縮が焦点だ。だが、機長組合の幹部は「ボーナス削減等を飲んだのは退職金に手を付けないという約束があってのこと」と反発する。6月から始まる団体交渉が難航する可能性もあり、再建は予断を許さない。

(書き手:山本亜由子、井下健悟)

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