【産業天気図・スーパー/コンビニ】衣料品の落ち込みスーパーは「曇り」続く、コンビニはタスポ効果続き「晴れ」模様

予想天気(スーパー)
 08年10月~09年3月   09年4月~9月

2008年度後半のスーパー業界は「曇り」、コンビニは「晴れ」の見通し。09年度前半もコンビニは引き続き「晴れ」を維持しそうだが、スーパーには徐々に雨雲が広がりそう。衣料品や住居用品の売れ行きがいっそう悪化するほか、食品中心に低価格競争が激化、薄利傾向となりそうだ。コンビニはタスポ効果が09年前半も引き続き貢献、好業績が見込まれる。

総合スーパー最大手イオン<8267>は衣料品の不調で厳しさが増している。08年中間期のイオン単体の既存店売上高は前年比0.1%のマイナス。低価格戦略や自主企画商品「トップバリュ」が好調で食品部門が堅調に推移、低迷する住・衣料をカバーして売上高は前年並みとなった。ただ、粗利益の高い衣料品の苦戦で、08年中間期で営業利益が前年同期比40%超の大幅減益、イオングループ全体の業績の足を引っ張った。

業績悪化を受けて、総合スーパーを中心に改革にも着手。8月の純粋持株会社への移行を機に、重複していた本部機能や人員などの見直しを急ぐ。10月の売上高販管費率は対前年で2.5ポイント改善しており、経費圧縮効果も出始めている。また今09年2月期中にGMS不採算店を中心に28店舗、来10年2月期までに60店舗強を閉鎖する計画だ。これらの施策で減益基調をどこまで盛り返せるか、正念場を迎える。

セブン&アイホールディングス<3382>傘下の総合スーパー、「イトーヨーカ堂」も既存店の苦戦が続いている。08年8月中間期は前年同期比2.7%減。食品は値上げの効果で前年を上回ったが、衣料品の回復は見られない。住関連カテゴリも、任天堂のゲーム機「Wii」がヒットした反動などで、前年を下回った。

そこで、同社は店舗の業態転換に本腰を入れ始めている。8月には、不採算だった西新井店を食品ディスカウント業態の「ザ・プライス」に転換。11月には、同じく不採算だった金町店の2階部分を改装し、グループ初のホームセンター業態に変えた。今後も商圏に合わせた改装や転換でテコ入れを進める構えで、さらなる新業態も生まれるだろう。ただ、消費が一段と不況に向かう中、抜本的な対策となるかどうかは未知数。業績回復にはまだまだ時間がかかりそうだ。

内食傾向と食品全般の値上げで、08年前半は好調だった食品スーパー各社も転換期を迎えている。10月以降、大手総合スーパー各社が相次いで打ち出した低価格戦略に対し、価格をどのように対応するか、またどう差別化を図るかが問われている。原材料高は一服感があるものの、メーカー各社からの値下げは難しく、利益を出しづらい状況が続く。また新規出店計画も多く、競合も激しさが一段と増しそうだ。

コンビニ業界は、引き続き「タスポ効果」によるたばこ増加が押し上げる。セブン-イレブン・ジャパン(未上場)を始め、ローソン<2652>やファミリーマート<8028>、サークルKサンクス<3337>などの大手コンビニは、そろって既存店の好調が続く。

タスポが関東圏に導入されたのは今年の7月で、来年の6月まではこの効果が持続する見通しだ。ただ、タスポ普及率は30%台前半に伸び悩んでいることから、その後も貢献が続く可能性もある。一方で、都市圏中心に展開するコンビニはタスポの影響が比較的小さい。スリーエフ<7544>やミニストップ<9946>は、たばこ増加分を除くと前年実績を下回るといい、店舗数飽和など、業界の課題が何ら解決されていないことがうかがえる。業界中堅am/pm・ジャパン(未上場)の売却も伝えられるなど、タスポ効果で延命しても、商品力などの地力に欠けるチェーンは苦戦を強いられるだろう。

食品スーパーの値上げやタスポ効果を足掛かりに、新規の顧客をつかめるか。今後1年の天気は特殊要因効果で「晴れ」でも、生き残りを賭けた競争が激化していることに変わりはない。
(田邉佳介、鈴木良英)

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