(第15回)102パーセントで努力し続けること

内田隆

 「もうちょっと努力すれば良かった」「あと少し頑張れば結果は違っただろう」「あのときよりチャレンジな決断のほうを選んでおけば良かった」などと後悔したことはありませんか?
 仕事は毎日がドラマチックなわけではありませんから、油断しているとつい力を出し切らずに毎日が終わってしまいます。

 この普段気づかない油断が35歳のビジネスマンには非常にリスクがあることです。

 自分は常に努力していると思っている人は、次の質問を自分自身にしてみてください。
●「毎日生き生きと仕事をしている」と妻や子どもに自信を持って言えるか
●自分の力を出し切ったという充足感で毎日を終えているか
●「よりチャレンジすれば良かった」と後悔することはないか
 自分の力を出し切っているかいないかの差の積み重ねが大きな人生の差となります。
 このことを単純な計算で表現してみます。あとちょっとだけ自分に無理した人を102パーセントの人とし、自分に甘えてしまった人を98パーセントの人とします。102パーセントと98パーセントはどちらも100パーセントに近い数字です。一日という短い時の流れのなかではたった4パーセントの差は実感できないことが多いです。
 しかしながら、このちょっとの違いを繰り返すとどうなるか? 102パーセントすなわち1.02を無限回累乗すると、その値は無限大になります。逆に98パーセントすなわち0.98を無限回累乗すると、その値はゼロになります。
 102パーセントの努力を続ける人は無限に成長する可能性があります。しかし少しの甘えを持っていると逆にゼロに近づいてしまいます。時を重ねるごとにその差は大きくなります。

 例えば、アメリカのメジャーリーグの場合、全選手の総年俸の75パーセントをわずかトップ25パーセントの選手で占めています。しかしながらトップ25パーセントの超一流と75パーセントの選手との能力差を計測するとそれはわずか数パーセントの差しかありません。メジャーリーグの下には3A、2A、1Aと下部組織がありますから、メジャーにあがるだけで凄いことです。わかりやすく言えばトップ25パーセントの選手とその他の選手との差は3割バッターと2割5分バッターの差とも言えます。両者の差は実は20本に1本多くヒットを打つことができるかどうかの差でしかありません。20回に1回、つまり5パーセントだけ他人より多く成功できるかどうかです。しかしその積み重ねが給料となってあらわれ、給料差は非常に大きいものとなります。  この差はビジネスの世界でも同じです。あなたがプロとして世界レベルの土俵で戦うことになるほど、ほんのわずかの差の大切さを実感することになります。

 ワタミ社長の渡邊美樹さんは24歳で居酒屋チェーンの社長になろうと決め、手帳に書き込んだ夢をすべて実現してきました。彼の目標に対する取り組み方、努力する姿勢は常に一貫しています。彼はこう述べています。

 「僕の夢の設定の仕方はいつも決まっている。これ以上やったら鼻血が出て倒れるところのもうちょっと上です。なぜなら人間には慣れがあるから、無理を一週間続けたらそれは無理でなくなるのです。最初考えてものすごい無理だということは、実は最終的にはそんなに無理なことではない」

 限界よりももうちょっと頑張ってみることを「最上志向の人」と言います。そして高いレベルを持続できる人のことを「スタミナがある人」と言います。
 102パーセントの努力を続けられる人間、「最上志向」×「スタミナ」を兼ね備えている人間ならば、必ず素晴らしい結果を生み出すことができます。簡単そうですが102パーセントの大切さを知り実行するよう自分を導くこと(セルフリーダーシップ)をしている人は数多くはありません。だからこそ彼らは普通の人と違い成功を手にするのです。
後悔しないため、人より抜きん出るためには、限界より上を目指す「最上志向」と「スタミナ」を兼ね備えられること
<毎日寝る前にしておくと良いチェックシート>
Q1:「今日も生き生きと仕事をした」と妻や子どもに自信を持って言えるか
Q2:自分の力を出し切ったという充足感で今日を終えたか
Q3:「よりチャレンジすれば良かった」と後悔することはなかったか
今日の私の努力
102パーセント      98パーセント

内田隆(うちだ・たかし)
マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院経営学修士(リーダーシップ、ネゴシエーション、戦略、起業を専門に学ぶ)。更に、ハーバード大学ビジネススクール、ケネディ行政大学院にてリーダーシップや組織経営を学ぶ。
在学中300人以上の世界のビジネスリーダー、国家元首達と会い、彼等のリーダーシップスタイルを独自に研究。特にビジネスリーダーシップやWin- Win型ネゴシエーションを家庭や趣味に応用した「人生のリーダーシップモデル」を独自に構築し定評を得る。
2007年株式会社フォロードリームを創立し代表取締役会長兼CEOに就任。他人を恣意的に動かすことよりもまずは自らをリード手本を示す「セルフリーダーシップ力」で社員力を経営競争力へと変える経営戦略&リーダーシップコンサルティングや講演、研修、執筆活動など幅広い分野で活躍している。
詳細プロフィールはこちらまで
HP: http://www.followdream.jp Email: info@followdream.jp
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