高速バスの「乗り継ぎ」が今後欠かせないワケ 同業者への連結や鉄道への乗り換えが進む

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阪急西山天王山駅前には、高速バス長岡京停留所への案内が掲げられている(筆者撮影)

主に高速道路を走行し、都市同士や都市とテーマパークなどを結んで走行する路線バス、いわゆる「高速バス」。高速道路の路線の延長や各地の高速バスターミナルの整備などにより、都市間移動の手段の1つとして定着していると言ってよいだろう。始発の都市から終着まで基本的には途中の街には立ち寄らない「都市間直行」の路線が多い高速バスだが、近年、高速バス同士を途中のバス停で乗り継いだり、鉄道の駅と高速道路の停留所が乗り換えを前提に同じ場所に設置されるといった、高速バスの利便性を高める施策や実証実験が進んでいる。

サービスエリアでバス乗り継ぎの社会実験

2018年11月、関越自動車道の高坂サービスエリア(埼玉県東松山市)でまったく別の会社の高速バス路線を乗り継ぐことで、長野市から成田空港まで都心を経由しないで公共交通機関で移動することを目的とした社会実験が、国土交通省関東地方整備局の事業として実施された。

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これは、長野から新宿駅(バスタ新宿)へ向かう京王バスやアルピコ交通(本社・長野)のバスの乗客が、前橋・高崎と成田空港を結ぶ関越交通の高速バスに乗り換えて、新宿を経ずに圏央道経由で成田空港に向かうことにより、バスタ新宿まで行き、そこで成田空港行のバスに乗り換えるルートよりも1時間~1時間半ほど時間が短縮できることから、これまで両路線にはなかった新たなバス停を高坂SAに設けて乗り換えてもらおうという施策である。

社会実験は1週間、無料で40人ほどを対象に行った小規模なもので、担当者に伺ったところ、実際には航空機に乗るために空港に向かう目的で乗車した人はほぼいなかったということだが、2019年3月までに今度は有料で、つまりバス運賃を収受して規模を大きくした実験を行うことが予定されている。

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