【産業天気図・海運業界】市況急落で「晴れ」予想から一転、08年度後半、09年度前半ともに「土砂降り」

予想天気
 08年10月~09年3月   09年4月~9月

空前の活況から前回(9月)は「晴れ」予想だった海運業界だが、市況急落の影響で状況は一転、2008年後半、09年度前半とも「土砂降り」に見舞われそうだ。
 
 海運の総合運賃指数であるバルチック海運指数(BDI、1985年を1000とした指数)は、5月20日に史上最高値の1万1793をつけたあとに下落した。8月末に6800台をキープしていたBDIは、リーマンショックの影響で、FFA(海上運賃先物)やリレット(借りてきた実物の船を又貸ししてサヤを抜く商売)から投資銀行が一斉に手を引くと、わずが1カ月後の9月末には3217と半減以下に落ちこんだ。10月28日に85年の水準を意味する1000台を割り込み、翌々日の10月30日には900台を割った。11月26日に800台割れ、そして12月2日にはついに700台を割った。

さらに、鉄鉱石採掘で世界最大手のブラジル、ヴァーレが08年夏に、異例の期中値上げを中国に要求。国内在庫がだぶついていたこともあり中国が値下げを逆要求するなどの応酬で、それまでドル箱だったブラジル~中国間の鉄鉱石バラ積み輸送がピタリと止まった。ヴァーレが要求を取り下げた頃には世界的な景気低迷で中国鉄鋼メーカーが大幅な減産を発表。そうこうするうちに09年分の価格交渉が始まったが、中国は8割の値下げを要求するなど強気の姿勢を崩していないために、ブラジルから中国への鉄鉱石輸出の本格再開は長引きそうな気配だ。

空前の海運好況を追い風に、08年4~9月期に過去最高の売上高、営業利益、経常利益、最終利益を計上した日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運大手3社。だが、08年10月~09年3月期は3社とも急激な海運市況の下落によって大幅な減益となりそうだ。前半期比で日本郵船は35%、商船三井は44%、川崎汽船は55%のそれぞれ営業減益となりそうだと「東洋経済オンライン」では見ている。川崎汽船が他の2社よりも落ち込みが大きいのはコンテナ船の比率が大きく、ただでさえ過当競争なのに加えて、米欧景気の停滞による荷動き減少の影響が大きいからだ。

09年4~9月期も海運市況の回復は望み薄。日本郵船は前半期比でさらに7%近い営業減益、商船三井は14%の営業減益となりそうだ。商船三井のほうが減益率が大きいのは、バラ積み船の比率が高いほか、1年契約の船の期限切れによる再契約が相次ぐため。川崎汽船は前半期比5%の営業増益を見込むが、これはコンテナ船が各社とも減船・減便を実施していることによる需給改善のメリットが表れると東経オンラインが見ているためである。
(山田 雄一郎)

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