急成長の「出前館」、利益88%減計画のなぜ? 夢の街創造、ブチ上げた中期計画の現実味は

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売上高については、出前館でのオーダー数を3382万件(前期比45%増)と見込む。シェアデリについては、拠点をフランチャイズで展開する方針を打ち出し、朝日新聞の販売店以外にも拡大している。

2018年8月末に60カ所まで増えた拠点を、今期は自社直営で50拠点、フランチャイズで100拠点を増やし、210拠点まで拡大することを見込んでいる。

利益50億円計画の現実味

出前館のオーダー数は2017年8月期は前期比27.8%増、シェアデリ拠点は同10カ所増だった。2018年8月期のオーダー数は前期比35%増、シェアデリ拠点は60か所まで増えた。

2018年8月期の加盟店舗数は前年並みの12%増、前期に22%伸びたアクティブユーザー数は14%増に留まった。それでもオーダー数が35%も伸びたのは、年間注文回数の多いユーザーが増えたためだ。

今期は計画通り150カ所のシェアデリ拠点が開設できれば、オーダー数前期比45%増はさほど高いハードルではないだろう。

会社側はシェアデリ拠点を今後3年間で500~600カ所に増やす計画を打ち出している。今期の新規出店が150、次年度以降の計画数値は公表していないが、年間180~200カ所ペースで出店すれば600カ所近い拠点数になる。

この出店計画を前提に、2020年8月期は129億円(前期比67.9%増)、2021年8月期は188億円(前期比45%増)の売上高計画をブチ上げた。一見、荒唐無稽に見える計画だが、2020年8月期については射程圏内と言っていい。

まず、売上高達成の可能性だが、目標のオーダー数については過去の実績からすれば、毎期4割増という計画はさほど過大な目標とはいえない。今下期からはHPでの広告販売を開始するなど、シェアデリ直営店が稼ぐ配達手数料と広告収入でそれぞれ13~15億円ずつ稼げれば達成は可能だ。

市場環境という点では、消費増税が追い風になる可能性もある。テイクアウトや宅配には軽減税率が適用されるのに、店内飲食やケータリングには適用されないため、飲食店がテイクアウトや宅配を始めるインセンティブになりうるからだ。

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