「産後クライシス」でギリギリの夫を救う方法 夫を救うのは、隣の夫?

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また、1985年に男女雇用機会均等法ができ、93年に中学の家庭科が男女必修となり、「男女ともに仕事も家事も」という意識とともに育ちました。しかし、いちばん身近な夫婦のモデルであった両親の多くはサラリーマンと専業主婦の組み合わせで、「夫は仕事、妻は子育て」という価値観が一般的でした。

こうした世代的経験を経て、おそらくあなたの職場には「仕事は男がして、家庭は女が守る」タイプと「仕事も家事も男女でする」タイプの両方がいます。しかも後者は若くなるにつれ増える傾向があります。

つまり、夫(あなた)と同じジレンマを抱えた同僚がいる可能性は十分にあるのです。

男性は「自分のプライベートを人に話して共感してもらう」ことをあまりしません。職場が難しければ地元の友人など話しやすい相手から「産後クライシス」という問題をシェアしてみて下さい。 私たちの実体験からも、同じ価値観を持つ職場や地元の友人は、きっと最大の味方となるはずです。

「産後クライシス」にピンとくる上司も、きっといる

そして、今の40代以上の管理職層の中にも、子どもが生まれてから家に居場所がない、居心地が悪いと感じてきた人が、少なからずいるのではないでしょうか。そうした人は夫(あなた)の直面している問題の重要性をきっと理解してくれるはずです。

「仕事で結果を出したいけど、家庭も大事にしたい」そんな思いに共感してくれる上司に出会えたら、それは夫(あなた)の職場を変えられるチャンスです。その人のためにしっかりと説得力のある成果を上げてみせましょう。

そこから今、夫(あなた)が感じている生きづらさはきっと変わり始めるはずです。

部下マネジメントにも重要

産後クライシスは、男女のギャップだけでなく、世代間ギャップの問題でもあります。

40代以上の男性の中には「そんな昔からあったことは、今さら話すことではない」と、事態を過小評価する人もいるでしょう。しかし、「夫婦だけでどうにかしろ」と問題を家族の枠組みに押し戻すことは、今の時代にあった解決策ではありません。

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