東大生厳選、冬休みに読みたい「分厚い本」3冊 手強い大著も「読み方」次第ですっきりわかる

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次にオススメするのは、最近話題の「あの4社」を扱った1冊です。

長さを感じない『the four GAFA』

「G」oogle、「A」pple、「F」acebook、「A」mazon。この4つの企業を知らない、という人はもはやいらっしゃらないでしょう。この『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』は、この4つの企業の強さと恐ろしさを「四騎士」に例えて大胆に語った480ページの本です。

『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

大企業の戦略について語った本というのはこれまで何冊もありましたが、しかしここまで大胆に、かつ面白く語った本というのはほかにはないでしょう。

この本が面白いのは、「デジタル社会を牛耳る4社」をまとめて語っている点です。1社1社を語るのではなく、それぞれの強みとそれぞれの共通点が4社まとめて解説されています。4社それぞれには共通点も違う点もあるので、分厚い本でありながら飽きることなく読み進めることができます。

また、ほかの企業分析の本と違って、決してこの4社の台頭をポジティブにだけ捉えているわけではないのが面白いです。この「四騎士」の功罪をしっかり見極め、強い言葉やキャッチーでわかりやすい言い回しで僕らに伝えてくれるのです。ボリュームたっぷりですが、意外とすぐに読めてしまう印象を受けます。

■『the four GAFA』は身近なものと結び付けて読む

この本を読むときには、「身近なもの」と結びけて考えることがオススメです。

GAFAはどの企業も僕らが毎日利用しているものです。Google検索で調べて、Apple製のデバイスを使い、Facebookに投稿して、Amazonでモノを買う。どれもすべて、毎日の生活の中にあるものだと思います。

この本はやはり、そういう身近に使っているものが、どういう戦略で成り立っているのか、どういう欲求を刺激するビジネスなのかを語っているから面白いのです。普段身の回りにあってとても卑近なものだけど、実はなかなか考えたことのない事柄に入り込んで、「それはGAFAの仕業なんだ!」と書かれているところにこそ、この本の価値があると思います。

だからこそこの本は、普段の私たちの行動とつなげましょう。「読書をする」「分厚い本を読む」となるとどうしても、インプットすることばかりに意識が向きがちです。書いてある内容が、実は普段やっていることを解説してくれているだけなのに、それに気づかないことって多いのではないでしょうか? この本を読むときは自分たちの身の回りのこととつなげて、「自分事として読書する」ことをオススメします!

次ページ区切りの時期に、自分と深く向き合う1冊
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