公立なのに先進的!未来教育1位の国の秘密 ニュージーランドの教育がすごい理由

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ニュージーランド・首都ウェリントンの街並み(写真:Robert Chang/iStock)
小学校での英語授業必修化、大学入試英語の変化、そして何よりビジネスのグローバル化で英語教育熱は高まる一方です。海外留学や研修をカリキュラムに組み入れる大学は増えており、まだ日本語もおぼつかない子ども向けの英語塾、親子留学の情報もあふれています。
英語が母国語でない保護者にとって、グローバル社会に適応するため、まずは英語!という気持ちはよく理解できます。小学生の子どもを持つ筆者自身、気になっていろいろ調べたり、先輩ママに話を聞いたりしています。ただ、子どもに身につけてほしいのは、流ちょうな英会話なのか、というと、ちょっと疑問が湧くこともあります。
そんな迷える保護者に知っていただきたいのが、ニュージーランドのセカンダリースクール(日本の中学高校に相当)で行われている教育です。ニュージーランドは「エコノミスト」誌による調査「世界各国の未来に向けた教育」(2017年)では、ニュージーランドは調査対象35カ国中、1位に選ばれている、教育先進国です。
そこでは多文化共生、ICT活用が取り込まれた先進的な内容が自然な感じで提供されていました。都内で開催された高校生向けのニュージーランド体験授業を取材しリポートします。

ニュージーランドを疑似体験

12月15日(土)の午後、東京・青海にあるTokyo Global Gateway(TGG)という英語研修施設の一室に、中高校生7名が集まりました。中には新幹線で来た方も。いずれも、ニュージーランドへの留学に関心があります。

講座は3時間半。ガイダンスに続き、ニュージーランドの高校生活で遭遇するシーンを想定した英会話の実践が行われました。TGGは東京都が賃料全額と改修費の一部を補助し、教育系の企業が運営を行う施設で、2018年9月に開設されたものです。特徴は、海外のような空間・施設で実際に英語を使う環境で聞いたり話したりすること。

カフェを模した空間では英語で注文する練習ができる(写真:筆者撮影)

例えば、学校の学生課やカフェテリアを模した部屋で実際にパンフレットを見ながら相談したり、食べ物を注文したりするアクティビティを体験できます。小中高校の学校単位での利用に加え、週末を中心に個人で参加できるプログラムも。取材で訪れた日は、何人もの小学生が英語で買い物ミッションに挑戦していました。薬局、ファストフード店、病院、飛行機内などの体験ルームで海外生活を擬似体験できます。

一方で、ニュージーランドの授業体験をしていた中高生たちは、日常英会話の練習をした後、ちょっと変わった講義を受けました。

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