《若手記者・スタンフォード留学記17》私が日本の未来を悲観しない理由。オシャレで有能な日本の若者がたくさんいるから


 今、日本で若者が話題になると、大抵、その中味は暗いものになりがちです。

就職氷河期にぶつかったロストジェネレーション、ネットカフェに寝泊りする非正規社員、根性がなくて3年で会社を辞める、ゆとり教育で甘やかされて協調性がない、クルマも持たず、家に引きこもって金を使わず貯金に熱心...などなど、暗いメッセージには事欠きません。

もちろん、こうした報道は、真実の一面を捉えているのでしょう。

私自身に話を置き換えても、(元自動車業界担当にもかかわらず)クルマに対する興味はゼロですし、本と酒代以外にはほとんど金を使いませんし、アウトドアよりインドア好きです。しかも、3年働くどころか、インターンをしただけで内定先の企業を辞めたという前歴もあります(笑)。

しかし、どうも昨今の悲観的な報道一色には違和感を覚えるのです。

なぜなら、コインの裏側ともいうべきこの世代の光の部分、つまりは、「新しい価値観と高い志、そして、世界で闘える能力を持った若者の存在」がきちんと認識されていないからです。

実際、私の知り合った若者の中には、能力が高くて、開拓者精神をもった、面白い人間がゴロゴロいます。

具体例を挙げますと、マスコミを賑わす女性起業家、ベストセラー連発の書籍編集者、富士通出身の作家とバー経営者、ソニーを辞めて起業したアニメプロデューサー、米国で映画プロデューサー修行をする大手広告マン、スタンフォード大学院で成績上位5%に入るプログラマー、新聞記者出身のニュースサイト運営者、英国の中央銀行で働くエコノミスト、数千万円稼ぐヘッジファンドのアナリスト、発展途上国の援助に励む世界銀行職員、胆力のある若手外交官、政治家を志し米国のヘッジファンドで働く元クラスメイト、上場を控えるネット企業のCFO、シリコンバレーの一流IT企業で働く元コンサルタント、会社破綻にもめげず早速再就職を決めた元リーマン社員などなど、、、、彼ら彼女らと比べると、自分の人生とキャリアは相当地味に思えてきます。

彼ら彼女らのプロフィールを見ると、伝統的なエリートコースである日本の大企業、官公庁勤務者は少数派です。また、その後に出てきたエリートコースである外資系銀行・コンサルもあくまで成長の踏み台であって、多くの人がそこを卒業しています。つまり、私の周りだけを見ても、予想以上に若者の価値観やキャリアは多様化しているように思います。

おしゃれな東大生に驚く、スタンフォードの学生たち

こうした日本人の若者の”能力”は、世界の同世代と比べてもトップクラスだと思います。

スタンフォードでの学生生活でも、「本当にこいつはスゴイ」と思うような学生はたまにいますが、それでも多くの学生は日本の優秀な学生と同じレベルです。米国人学生は大半がしゃべりの達人ですが、内容面で唸るような鋭い質問や発言に出くわすのはまれです。米国人には、本当にくだらない質問を、まったく臆することなくする人が結構います(笑)。

つい先日も、MBAの日本人学生と語る機会があったのですが、彼も志のある立派な人物でした。

現在、ビジネススクールには日本人が一学年に3人しかいません。一時、10人を越えていたことを思うと激減です。ただ、人数は重要ですが、それだけで「日本の若者はダメだ、競争力が落ちている」と語るのは誤りでしょう。

たとえば、現在2年生の3人は、日本の存在感を示すため、日本への研修旅行「ジャパントリップ」を企画。数ある研修旅行の選択肢の中で、ジャパントリップはなんと学生の中で一番人気とのことです。

学生の中には、日本が世界第2位の経済大国であることすら知らない人も結構いるようですが、そのソフトパワーは絶大。日本食はもちろん、マンガ・アニメ・ゲーム分野での人気が、とくにアジアの留学生の中ですさまじいとのこと。

「任天堂を訪れて見たい」「宮崎アニメのスタジオジブリにいきたい」というリクエストが寄せられているそうです。

もうひとつ彼から聞いた面白いエピソードは、スタンフォードを見学にきた東大生の話。東大生たちの外見があまりにファッショナブルなので、多くの学生が「かっこいい奴らがいる」と驚いていたそうです。スタンフォードには、大学のロゴ付きトレーナーを着ている人も多く、おしゃれとは程遠い状況なので、ひときわ目を引いたのでしょう。

たかが、おしゃれと言うことなかれ。おしゃれでかつ頭がいい、というのはなかなかクールではないですか。これからの時代は、ハングリー精神旺盛で、長時間がむしゃらに働くだけでは中国やインドとの競争に勝てません。アップルを見ればわかるように、頭の良さにセンスの良さが加わらないと、付加価値は生み出せないでしょう。その意味では、東大生がおしゃれだというのは、決して悪いことではありません。

日本が上向くのは2020~25年頃?

三島由紀夫は「日本が若者の意見に耳を傾けるのは、危機のときだけだ」と言っています(すみません、本が手元にないので正確な引用ではありません)。その意味で、現代は若者にとって千載一遇のチャンスなわけです。

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