塾業界もM&Aの大波 生徒の奪い合いが過熱

ベネッセ、学研など大資本が相次ぎ塾を買収。生徒を囲い込み、通信教育や教材開発の相乗効果を狙う。(『週刊東洋経済』6月2日号より)

 塾業界の再編が加速している。通信教育最大手のベネッセコーポレーションが首都圏を地盤に展開する東京個別指導学院(東京個別)のTOBを発表し、東京個別も賛同の意を表明した。

 ベネッセでは塾経営を「進研ゼミ」に次ぐ柱と位置づけ、昨年秋には大学受験のお茶の水ゼミナールを買収している。東京個別の子会社化は進研ゼミの中核顧客(小中学生)の受け皿になる。足元、4月の進研ゼミ会員数は391万人と4期ぶりに減少しており「小中の高学年になると、進研ゼミをやめて塾に行く生徒が増える。そこをグループで取り込みたい」(同社幹部)。

 一方、東京個別も昨年6月から11カ月連続で生徒数が前年を割り込んでいる。塾生1人当たりの授業コマ数を増やして客単価を上げ、何とか増収を確保する苦しい展開だ。同社の馬場信治社長は塾に「個別指導」の手法を導入した先駆者として知られる。独立心が強いとみられていただけに「ベネッセ傘下入り」のニュースに意外感を持つ塾関係者は多い。だが、昨年秋に馬場社長のほうから提携話を持ちかけていた。

 実はフランチャイズで個別指導を展開する明光ネットワークジャパンの第2位株主(保有比率12%強)が東京個別であり、今後同社にもベネッセの影響力が及ぶ。競合する学習研究社も桐杏学園(東京)、あすなろ学院(仙台)、照和学館(北九州)と相次いで塾を買収。少子化を背景に「子供の奪い合い」はさらに過熱しそうだ。

(書き手:吉田正志)

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