私大を直撃する金融危機! 駒澤大の154億円運用損は氷山の一角か


迫り来る期末決算 運用体制は見直しへ

駒大の損失は報道で明らかになったものの、レアケースだとも言い切れない。前述の公認会計士は「仕組み債などの含み損を抱えて08年度決算をどう乗り切るか、頭を悩ませている大学は少なくないはず」と内情を語る。満期保有目的にしても含み損が一定水準を超えれば、評価損を計上する必要があるからだ。

私立大学の決算期は3月で、一般企業のような中間期がなく、年1回だけ。期中にどの程度の含み損を抱えるかは外部からうかがい知れない。国から補助金をもらうために作成する決算書の貸借対照表には、有価証券やデリバティブ取引の含み損益を注記することになっている。だが、この制度が導入されたのは私学法改正に伴う05年度から。利害関係者への財務諸表の閲覧義務が規定されたのも同年度だ。もっともホームページなどによる財務情報の一般公開内容は大学の独自判断。たとえば、立正大は貸借対照表に注記した有価証券の時価情報も公開するが、駒大では注記を省略している。

上場会社に比べると情報公開が遅れている私立大学。金融危機の影響が顕在化するのはむしろこれからだろう。ある大学の財務担当者は「担当者とすれば、含み損を抱えたというだけで責任追及されるのではたまらない。普通預金に入れて何もしないほうがよいというのか……」と本音を漏らす。だが、これまで以上にリスク管理が求められることは確か。市場環境の激変で、運用体制の見直しを迫られそうだ。


(三上直行 撮影:代 友尋 =週刊東洋経済)

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