ディスカウントの次はホームセンター参入、試行錯誤が続くヨーカ堂の苦しみ

ディスカウントの次はホームセンター参入、試行錯誤が続くヨーカ堂の苦しみ

セブン&アイホールディングス傘下のイトーヨーカ堂は、ホームセンター事業に参入した。このほど東京・葛飾区のイトーヨーカドー金町店の2階部分に「セブンホームセンター」をオープンした。ヨーカ堂は8月にも、東京・足立区の西新井店を改装し、食品ディスカウント業態「ザ・プライス」を始めたばかり。矢継ぎ早の業態変更に打って出たのは、グループの4分の1の売り上げを占めていながら、営業利益の5%しか貢献できていない、という危機感の表れだ。亀井淳イトーヨーカ堂社長は「総合スーパーはこうあるべきだ、という結論は下さない。店ごとに調査して、挑戦して、検証しながら改革を進める」と話す。今後もヨーカ堂店舗への新業態導入が続きそうだ。

金町の「セブンホームセンター」1号店は、約1500坪の広い店内に、日用雑貨やDIY用品、ペット、園芸用品など、日常生活に特化した約5万品目を品ぞろえした。中でもティッシュは5パック198円、粉末洗剤は1キロ178円など、毎日使う消耗品1000品目以上は、通常の1~2割ほど安い価格で提供している。工務店などの「プロ向け」商品は極力絞り込んでいる。
 
 陳列する商品量を増やし、棚の上に在庫品を備えるなど、バックルームの品出し作業を軽減。チラシは期間をのばして、回数を従来の3分の1程度に減らす。販売スタッフ、正社員も3割ほど削減するなど、ローコスト運営にも力を入れている。

ヨーカ堂金町店はJR常磐線、金町駅前の幹線道路沿いに位置する。約35年の歴史を持つ店舗だ。リニューアル以前から1階は食品売り場だったが、2階はフロアの7割が衣料品、残りが住関連品という構成だった。1階は堅調だが、2階は衣料品の苦戦で不採算状態が続いていたという。売り場開発を担当したイトーヨーカ堂の金子透氏は、「周辺を調査すると、住関連の専門店が少ないことがわかった。そこで、苦戦する衣料を捨てて、専門性の高いホームセンターを展開することに決めた」と説明する。

オープン初日に買い物に来ていた地元の主婦は、リニューアル以前を「典型的な古いヨーカドーという感じ。買うものは何もなかった」と厳しく評価するが、「私は車に乗らないので、駅前のホームセンターは重宝するかも」と新業態を高評価。別の主婦も「品数はどれも豊富だね」と合格点を出した。滑り出しは上々のようだ。

ヨーカ堂にとって、苦戦の続く駅前店舗の改革は、長年の懸案のひとつだった。だが、新しい業態の専門性を十分に活用できれば、出店余地がなく、駅周辺に進出できない他社に大きな差を付けることができる。今後、セブンホームセンターは駅前立地の店舗を中心に、食品売り場と合わせて展開する方針だ。「ザ・プライス」との共同出店も視野に入れている。
(田邉佳介 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済)

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