『早期退職募集に応募すべきか』(45歳男性)  城繁幸の非エリートキャリア相談

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処方箋:『第二の人生で伸びる人、躓く人』

 転職か、独立か。あるいは、このまま今の会社で糧を得るのか。ここから先はご自身で決断してください。こればっかりは、模範解答はありません。

 ただ、失敗する人と成功する人の差を一つ挙げるとすれば、それは情熱です。平たく言えば、どれだけ新しい仕事が好きであるかということですね。

 これはどの年代の人間にも共通して言えることです。

 たとえば、脱サラして起業した人間の多くは「仕事の量も質も、会社員時代よりもずっと増えた」と口にします。そこで踏ん張れるのは、その仕事の延長線上に、自らが求めた動機のある人間だけなんですね。

 「楽そうだから」だの「今の仕事がつまらないから」だのと安易に行動してしまった人間にとっては、もうその時点で失敗なわけです。今、話題になっている第二新卒(入社三年以内の転職者)にも、まったく同じことが言えます。「なんとなくつまらないから」「なんとなくあっちの方が良さそうだから」と、転職理由に“なんとなく”が付く人間の多くは、後できまって後悔するものです。

 あなたが今感じている閉塞感は、何を求めるのか明確にしない限り、きっと退職後も付いて回るでしょう。まずはご自身の動機を見つけることです。

 逆に、それが見つからないのであれば、今の会社で働き続けるべきでしょう。「仕事で自己実現をしたい」という発想さえ捨てれば、会社勤めも悪い話ではありません。仕事なんて、飯を食うための必要悪だと割り切り、人生の軸足をプライベートに移すわけですね。

 世界ではこっちの価値観の方がスタンダードですし、今後は日本もそうなるはずです。グローバル化をちょっとだけ先取りするつもりで、脱サラならぬ脱仕事人間を目指してはいかがでしょうか。

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