急速に競争激化する、中国の高級車市場

BMW、メルセデス、アウディは大衆高級車?

11月21日、米国を抜き去り、世界最大の自動車市場になった中国。経済成長とともに高級車市場も各社の競争が激化しており、ディーラーはあの手この手を使って顧客獲得にしのぎを削っている。写真は上海にあるBMWの体験センター。19日撮影(2013年 ロイター/Aly Song)

[広州(中国) 21日 ロイター] -米国を抜き去り、世界最大の自動車市場になった中国。経済成長とともに高級車市場も各社の競争が激化しており、ディーラーはあの手この手を使って顧客獲得にしのぎを削っている。

中国の高級車市場は、昨年こそ景気鈍化や新指導部発足などで販売台数の伸びが減速したものの、ここにきて勢いが戻りつつある。2020年までには年間販売台数が約300万台となり、高級車市場でも米国を抜いて世界1位になるとみられている。

急速な成長の代償として、中国の高級車市場は競争が非常に激しくなっている。5年前には、同国で販売される高級車は5ブランドの計10車種ほどだったが、市場調査会社TNSによると、今では25ブランドから90車種以上が出ている。

独BMWにとって、中国は昨年に米国を抜いて世界最大の市場となった。同社の2013年1─10月の中国販売台数は31万7822台となり、前年比約20%増加した。ポルシェ は昨年の大中華圏の販売台数が前年比28%増の3万1205台となり、こちらも世界最大の市場である米国での販売台数に迫っている。

BMWやメルセデス・ベンツなどの高級車メーカーが中国で直面する問題については、上海の歴史学教授で、自身もBMW5シリーズを所有するLiuZheng氏(54)のコメントが端的に言い表している。「中国の路上には、BMWが多過ぎる。メルセデスもアウディも多過ぎだ」。上海の中心部で第一汽車集団(FAWグループ)の新たな高級車ブランド「紅旗」の店舗を見て回ったZheng氏は「紅旗の車はほとんど見かけない。もし持っていれば珍しがられるだろう」と語った。

欧米産の高級車が走っているのは中国の都市部ではありきたりな光景となっているため、より目立ちたい現地の富裕層は、アストン・マーチンやポルシェやジャガー、マクラーレンやフェラーリ、ランボルギーニなどにも手を伸ばしている。

米フォードは来年に高級車「リンカーン」を中国市場に投入する予定。日産<7201.T>の「インフィニティ」や米電気自動車「テスラ」も争う市場に、また新たなプレーヤーが加わることになる。21日開幕の広州国際モーターショーでは、アウディはプラグインハイブリッド車「A3スポーツバック eトロン」などを展示し、同社の最先端技術を披露する。

ブランドロイヤルティ

中国の車購入者は、それが高級車であっても大半は車を初めて買う人たちで、特定の世界的ブランドに対するこだわりはあまりない。

メルセデス・ベンツは中国人消費者の心をつかもうと、北京市内で自社博物館の建設を計画している。フォードは上海のクラシックカー展示会にリンカーンの歴史的モデルを提供。米ゼネラル・モーターズ(GM)は、「キャデラック」を組み立てる上海工場に潜在顧客を案内する内部見学ツアーを計画しているという。

また、BMWとメルセデスの販売店では、商談成立イベントとして、テープカットや写真撮影、花束贈呈などが行われている。ランド・ローバー・ジャガーが上海にオープンしたショールームには、ミニゴルフ場も併設されている。

上海万博の跡地にBMWが今年開設した店舗は、歴史的なモデルや写真や映像の展示を通じ、車そのものよりもむしろ、BMWの「物語」を売り込む。アートギャラリーのような空間でブランドの伝統を宣伝する狙いがある。

経営コンサル会社ローランド・ベルガーのシニアパートナー、ジョン・シェン氏は「BMWは称賛されるブランドだった。しかし今の中国では、BMW、メルセデス、アウディは大衆高級ブランドと見られている」と指摘。「情緒的な価値などを高めるべく、BMWらはブランドを再生させようとしている」と語った。

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