金融特化メディアの「ZUU」が狙っていること 冨田和成代表取締役ロングインタビュー

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冨田:おっしゃる通りで、当社もDMPを成長戦略の一つに掲げており、それに基づいて保有データを有効活用し、購買意欲の高いユーザーを可視化することに注力する方針です。そろそろ本格展開を図るフェーズに差し掛かっており、機が熟すれば発表しようと思っておりますが、実現すればおそらく日本初の金融特化型DMPとなるでしょう。

金融機関にZUUのメディアやデータを活用してほしい

金融商品には、決済履歴というデータがあまり役に立たないという特性があります。たとえば、旅行商品なら、旅行サイトの決済履歴に基づいてツアー商品をレコメンドすれば、マスに広告を打つケースよりも高い成約率を見込めるでしょう。しかし、金融商品の場合、住宅ローンや保険の契約履歴をもとに新たな商品をレコメンドしても、まず意味がありません。むしろ、かなりの長期にわたって新たな契約は結ばないはずです。

だからこそ、日頃からユーザーと接点を持ち綿密な分析を行っている当社メディアや、当社のデータを、金融機関に活用してもらうのが最善ではないかと私は考えています。

(ZUU「成長可能性に関する説明資料」より)

村上:金融業界に精通していることを強みに、その特性に最適化させるためにビジネスモデルを軌道修正してきたというのが御社のこれまでの歩みだったわけですね。2017年からは金融系人材に特化したリクルーティングも手を広げているようですが、この事業は容易にスケールするのでしょうか?

冨田:足元で金融業界においては、メガバンクが大幅な人員削減に踏み切っていることもあって、民族大移動的な人材の流動化が発生しています。

その一方で、実はZUU onlineが獲得している登録会員の10%以上が金融業界に在籍している人たちです。

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