いよいよFANG系銘柄に警戒が必要な理由 これまでのように「絶好調」とはいかない!?

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しかし、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)はすでに完全に政策を転換しました。アメリカ10年国債の金利は3%を超え、不動産でも30年固定モーゲージローンは5%の大台に乗りつつあります。つまり、投資家目線で言えば、ある意味投資対象が増えてきた。

ドナルド・トランプ大統領が「FRBが最大の脅威だ」と語り、前述の株価下落は「FRBのせいだ!」と難癖をつけているくらいですから、FRBの利上げ方針は逆に「かなり堅い」と見るべきでしょう。

事実、17日(アメリカ時間)に発表されたFOMC(アメリカ公開市場委員会)議事録を見てみましょう。

Based on their current assessments, all participants expressed the view that it would be appropriate for the Committee to continue its gradual approach to policy firming by raising the target range for the federal funds rate 25 basis points at this meeting.

和訳してみましょう。

「これまでのFRBが集めた(経済)データに基づいて、すべての参加者(FRB理事)はFRBが25BP(0.25%)のFF金利(フェデラルファンド金利、政策金利)の利上げをすることにより、穏やかな引き締めというアプローチを続けていくことが適切である、と判断した……」

と明確に書いています。9月の議事録でこれだったわけで、今後10月、11月のマクロ経済データが大きく下落することがなければ当然次の12月のFOMCでも利上げをすることになるわけです(FOMC議事録についてはわたくしのグッチーポストの有料メルマガで毎回詳しく解説をしております)。

利上げでテスラなどの成長株はどうなるのか?

従ってよほど何か突発的なことが起きることがなければ、利上げをやめる理由はなく、いわゆるエクイティファイナンス(株主資本の増加を伴う資金調達)はこれまでほどは安くはなくなる、という点も重要なポイントでしょう。その意味では、テスラはいわば「最後の船が出ていってしまった……」ゆえに資金繰りの困難に直面してしまった、という見方もできると思っています。

もちろん、FANG系銘柄が潤沢な現金を抱えているのも事実です。しかし、栄枯盛衰などの意味も含め、FANGやFANGに続く銘柄を追いかける場合には注意が必要ですぞ、ということです。私の友人なんかもそうですが、ここまで来たらもうやめられない、というのもよくわかりますが、であればリスクポイントをきちんと押さえておくことも重要でありまして、今後のFRBの行動には十分注意を払うことをお勧めいたします。

(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が、週末の人気レースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)

次ページここからは競馬コーナー。3歳3冠最後、菊花賞の勝ち馬は?
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