N-BOXが圧倒的に売れまくる新車市場の死角 充実した商品性で人気呼ぶ裏側では課題も

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N-BOX(左)とN-BOX Custom(写真:Honda Media Website)

日本国内で今、最も売れている乗用車は、ホンダの軽自動車「N-BOX」だ。2018年度上半期(2018年4~9月)、N-BOXの販売台数は11万7100台と登録車も含む新車販売台数において1位を獲得した。

N-BOXは2011年12月に発売された先代型から好調に売れて、2017年に登場した現行型も含め、約6年間にわたり高い売れ行きを保っている。

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軽自動車市場における年間(暦年)販売順位を振り返ると、N-BOXは、2013年/2015年/2016年/2017年にわたり1位であった。2012年と2014年も2位。しかも2017年以降は、トヨタ自動車の「プリウス」や「アクア」が登録台数を下げた影響もあり、小型/普通車を含めた4輪車の国内総市場でも1位を獲得している。

2018年度上半期の11万7100台は、国内総市場で2位のスズキ「スペーシア」(7万3606台)、3位の日産自動車「ノート」(6万3303台)、4位のダイハツ工業「タント」(6万3273台)に大差を付けた。1位と2位の差は、2018年度上半期だけでも4万台を超える。

なぜN-BOXは、6年近くにわたって販売上位を保つのか。人気の理由を考えたい。

軽乗用車の中で車内が最も広い

クルマを好調に売るには外観が重要だ。機能性が抜群に高くても、外観が不評では販売台数を伸ばせない。N-BOXは標準ボディ、上級のカスタムとともにフロントマスクの質感が高く、小型車と同等かそれ以上に存在感も強い。

水平基調を強めたこともあり、ボンネット/天井/ホイールベース(前輪と後輪の間隔)の寸法的なバランスもちょうど良い。これらのデザイン的な魅力は、先代型で確立されて、現行型にも受け継がれた。

N-BOXは軽乗用車の中で車内が最も広い。エンジンは先代型も含めてNシリーズ専用に開発され、縦長に設計することでエンジンルームを短く抑えた。その結果、室内長が長く確保されている。

ホイールベースも軽自動車で最長の2520mmだ。全高は2WDが1790mm(4WDは1815mm)と背が高い。

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