吉野家が「6期ぶりの赤字」に陥る根本理由 客数増加でも、最終損益が11億円の赤字に…

拡大
縮小
6期ぶりの最終赤字の見通しとなった吉野家ホールディングス。主要業態の牛丼チェーン「吉野家」は客数が想定どおりには伸びなかった(記者撮影)

急転直下の赤字転落となった――。

牛丼チェーン「吉野家」やうどんの「はなまる」などを展開する吉野家ホールディングスは10月5日、2018年度上期決算を発表する。それに先立ち、9月27日に通期の業績見通しを修正した。

既存店が思うように伸びず

売上高は期初計画の2110億円から2050億円(前期比3.3%増)に減額。純損益については17億円の黒字から一転して11億円の赤字へと下方修正するなど、6期ぶりに最終赤字へ転落する見通しとなった。下方修正を発表した翌日の株価(終値)は前営業日比105円(5.5%)安の1802円と、年初来安値の1771円に迫った。

吉野家ホールディングスのもくろみが狂ってしまったのはなぜか。要因の1つが吉野家の既存店売上高が想定どおりの伸びを達成できなかったことだ。もともと、この上期は「鶏すき丼」といった新商品の展開や、夕食強化の一環として「炙り塩鯖定食」などを投入し、既存店売上高は前年同期比7%増を見込んでいた。

だが、ふたを開けると投入した新商品が伸び悩んだほか、6月の大阪北部地震、7月には西日本豪雨や台風12号と相次いで天災に見舞われた。その結果、既存店売上高は4%増にとどまった。

 加えて、グループ会社のアークミールの不振が重なった。同社は「ステーキのどん」や「しゃぶしゃぶどん亭」など肉料理の業態を手掛けており、主に首都圏や京阪神地域のロードサイドに174店舗を展開する(8月末現在)。

次ページアークミールが苦戦した理由
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT