視界不良...ポルテ社長が引責辞任した新生銀行

視界不良...ポルテ社長が引責辞任した新生銀行

ティエリー・ポルテ社長が業績不振の責任を取って辞任した新生銀行。12日に開いた取締役会で、ポルテ社長からの申し出を承認し、八城政基会長(79)の社長兼務を決議した。

八城氏はシティバンク在日代表を経て、2000年の新生銀行(旧日本長期信用銀行)発足時からトップを務めた。個人部門と投資銀行部門を経営の柱に据えて再生し、再上場へと導いた立役者だ。05年にはポルテ氏を後継社長にし、翌年はシニア・アドバイザーとなっていた。だが、今年6月に非常勤の会長に復帰。さらに今回の社長再登板とは、新生も八城氏以外に頼みの綱がいないのだろう。

同行の業況はとにかく厳しい。06年度は買収したノンバンクのアプラスとシンキで、過払い金返還訴訟に対する多額の引当金を余儀なくされた。また個人顧客対象の銀行業務でも、高金利が売りの仕組預金(デリバティブ預金)人気が剥落し、経費倒れに。個人部門の不振も響き609億円の最終赤字となった。07年度、今度はサブプライム関連で投資銀行部門が損失を計上。本店の売却で連続赤字を回避している。

しかし、今中間純益は破綻したリーマン・ブラザーズ向け債権の損失270億円、欧州での投資損失221億円が響き、192億円の赤字に。下期には新たに買収したレイクの利益300億円が上乗せされ、通期純益を120億円と見込んでいる。だが、金融混乱が進行形である以上、追加損失が生じるおそれもあり、計画達成は微妙だ。

M&Aが裏目に出て、公的資金を基盤とする潤沢な資本が目減りしたことも不安材料だ。今中間期末でTier1(中核的自己資本)比率は6・41%まで縮小している。欧米銀行は高いコストを払ってでも、Tier1比率10%の確保に躍起だ。新生は海外投資が多く、証券化商品だけでも2139億円を抱え、フローの利益が出ない中でTier1の6136億円は心もとない。「わずかでも資本調達したい」という八城氏が顧問を務める中国建設銀行との提携も取りざたされるが、現状では厳しい。コスト高で10月以降は金融債の新規発行もできていない。

収益低迷で政府は株の売却による公的資金回収のメドも立たない。八城氏は至難の立て直しを任された。

(大崎明子 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済)

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