本当にドルは買い? 米国は大丈夫? リーマンショックの次は、年明けお茶会ショック?

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渋澤 ひとつ懸念材料を挙げると、米国の政治が内向きになっているのではないかということです。今回のシャットダウンで、オバマ大統領は急遽、アジア歴訪を中止したわけだけれども、これなどはまさに内向きになっている証拠になりました。米国が世界のリーダーである時代は終わったということになると、その後のパワーバランスのシナリオを、描きづらいです。

コツコツ投資を説く「草食投資隊」の地道な活動が、いま実り始めている(セゾン投信社長中野晴啓さん(左)、レオス・キャピタルワークスCIO藤野英人さん(中)、コモンズ投信会長渋澤健さん(右)

中野 10年くらいのスパンで見れば、米国経済は徐々にバランスの取れた、いい状態になっていくのだと思います。ただ、米国が内向きになるのは怖いですね。だって、内政にばかり目を向けているうちに、世界のパワーバランスが大きく崩れる可能性があるように思えるからです。たとえば、米国がシェール革命によって天然ガス、原油を大量に採掘できるとなれば、わざわざ高い軍事費を使ってホルムズ海峡を守る必要がない、ということになるでしょう。それは結局、日本にとっての大問題です。

渋澤 確かに、米国がホルムズ海峡を守らなくなったら、日本のタンカーは自衛しなければならなくなります。コストだけでなく、自衛隊の艦船をホルムズ海峡に展開できるのかどうかという問題もある。米国が内向きになって得な話は、日本にとってまったくないと断言してもいいです。だからこそ日本は、米国との関係をつねに良好にしておく必要があるし、米国もお茶会問題は早急に解決する方向に持っていってほしいですね。

草食投資隊 渋澤 健、中野晴啓、藤野英人

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そうしょくとうしたい

コモンズ投信会長・渋澤 健、セゾン投信社長・中野晴啓、レオス・キャピタルワークス社長CIOの藤野英人の3氏で結成。根底には、「長期投資を根づかせたい」という3人の熱い思いがある。「草食投資隊」という名前は、投資=肉食系というイメージが一見つきまとうが、本質は違うのではないか、という3人の共通の考えによる。

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