加えて近年では、独創のステレオカメラを使った運転支援技術アイサイトが人気を集めている。また、万一の際に歩行者を保護するボンネットフードに展開される歩行者エアバッグの採用など、安心をもたらす機能や装備で顧客の関心を呼んでいる。プレミアムという意味の、割り増しという価値からすると、スバルにはほかと違う割り増しの商品性があるといえる。
プレミアムブランドの仲間入りを模索する一歩
そうしたスバルが、より高性能な4ドアセダンを開拓することは、まさにプレミアムブランドの仲間入りを模索する一歩といえるだろう。高性能車には、前述のような割り増しの性能や機能が備わるのである。またSTIスポーツは、大きなリアウイングを装着せず、一見したところ普通の4ドアセダンにしか見えないところに引かれる人もあるに違いない。内装にも、見栄えや手触りのよさなどが凝らされている。
400万円強という価格は、欧米の競合車種に比べはるかに安い。メルセデス・ベンツのAMGC43が940万円。BMWのM3は1209万円。アウディS4は、839万円である。キャデラックATS‐Vは990万円で、標準のATSの534万円に比べ2倍近い価格だ。WRX S4のSTIスポーツは、それらのほぼ半値といえる。それ自体安くはない車両価格だが、買って損のない魅力を備えているはずだ。
「WRX S4」にSTIスポーツが設定された意味
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写真:スバルグローバルメディアサイト
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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori
1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。
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